Benson Amps (2)
Blackstar (2)
Bogner (1)
BOSS (3)
Crazy Tube Circuits (2)
E.N.T EFFECTS (2)
EarthQuaker Devices (2)
electro-harmonix (6)
Empress Effects (2)
Eventide (1)
Fender (3)
Free The Tone (3)
Friedman (2)
Fulltone (1)
HOTONE (3)
IK MULTIMEDIA (2)
Jackson Audio (1)
JHS PEDALS (3)
Keeley Electronics (5)
KEMPER (3)
KERNOM (1)
klon (1)
Limetone Audio (2)
Marshall (4)
Morgan Amplification (1)
MXR (2)
One Control (3)
Origin Effects (1)
Paul Reed Smith (5)
Positive Grid (2)
Revv Amplification (1)
Soldano (2)
strymon (7)
Suhr (5)
Sunfish Audio (1)
tc electronic (3)
TECH21 (1)
TONEX (2)
Universal Audio (2)
VEMURAM (7)
Virtues (2)
WALRUS AUDIO (3)
Wampler (5)
Warm Audio (2)
Xotic (8)
【ポリフィア】Tim Henson/ティム・ヘンソンの使用機材【アンプ・ギター・エフェクター】

国内外で活躍するギタリストの愛用機材をまとめて取り上げる「プレイヤーズ・リグ」
その超絶テクニックと独創的なサウンドで現代のギターヒーローとして注目されているPolyphia(ポリフィア)のギタリスト
Tim Henson(ティム・ヘンソン
フュージョンやヒップホップ、メタルなど様々なジャンルを融合し、スラップ奏法(サムピング)やタッピング、ハーモニクスを駆使したプレイスタイルが特徴的です。
クリアでいながら攻撃的、かつリズミカルなギターサウンドは、多くのテクニカル系ギターファンの心を掴んで離しません。
今回は、Tim Hensonのプロフィールとともに、彼のサウンドを支える愛用機材をご紹介します。
ギター本体からアンプ、エフェクターまで、彼の“音の秘密”に迫ってみましょう。
Tim Henson/ティム・ヘンソン|Profil


名前:Timothy “Tim” Henson(ティモシー・ヘンソン)
生年月日:1993年11月19日
出身:米国テキサス州
Biography
Tim Hensonとは?—その音楽的背景とキャリアの歩み
Timothy “Tim” Henson(ティモシー・ヘンソン)は、1993年11月19日生まれ、アメリカ・テキサス州出身。Polyphia(ポリフィア)のギタリストとして、超絶技巧と革新的なギターサウンドで注目を集めている。メタル、ヒップホップ、ジャズ、R&Bを融合させた独特のサウンドは、現代ギターシーンの最先端を走っている。
幼少期と音楽との出会い
Tim Hensonが音楽に触れたのは、幼少期の頃。家には常にさまざまなジャンルの音楽が流れており、彼の音楽的な土台はこの頃に形成された。特に母親がピアノを弾いていた影響で、音楽理論に自然と親しんでいたという。
ギターを手に取ったのは10歳の頃。最初はクラシックギターを習い、その後ロックやメタルの影響を受けてエレキギターへと移行した。彼が影響を受けたギタリストには、ジョン・ペトルーシ(Dream Theater)、スティーヴ・ヴァイ、エディ・ヴァン・ヘイレンなどがいる。
Polyphia結成と成功までの道のり
Polyphiaは2010年に結成。Tim Hensonは、Scott LePage(ギター)、Clay Gober(ベース)、Clay Aeschliman(ドラム)とともにバンドを結成し、当初はインストゥルメンタルメタルに影響を受けた楽曲を制作していた。
バンドが大きく注目を集めるようになったのは、2013年にYouTubeへアップしたシングル『Impassion』の成功がきっかけだった。驚異的なギタープレイと独特なサウンドが話題となり、一気にオンラインでのファンベースを獲得。
2014年にリリースしたアルバム『Muse』では、よりメロディアスで洗練された楽曲へと進化し、幅広いリスナーを獲得。続く『Renaissance』(2016年)では、クラシックやフラメンコの影響を取り入れた楽曲が特徴となり、ギターインストの新たな可能性を示した。
2018年にリリースされた『New Levels New Devils』では、ヒップホップの要素を大胆に取り入れ、ギターシーンにおいて革新的なスタイルを確立。その後のアルバム『Remember That You Will Die』(2022年)では、より洗練された楽曲構成と、ジャンルの壁を超えた音楽性を打ち出し、世界的なギタリストとしての地位を確立した。
Tim Hensonのプレイスタイルとサウンドの特徴
Timのギタースタイルは、まさに現代のギターシーンを象徴するものだ。
- スラップ奏法(サムピング):ベースのスラップのように親指で弦を叩く独自の奏法。
- タッピング:片手でタップするフレーズを多用し、滑らかなメロディを生み出す。
- ハーモニクス:ナチュラルハーモニクスを効果的に使い、独特の煌びやかなサウンドを生み出す。
Polyphiaの楽曲は、こうしたテクニックと綿密に作り込まれたアレンジが融合している。彼のプレイには、メタル、ヒップホップ、ジャズ、R&Bといった多様な音楽要素が組み込まれており、既存のギターミュージックの枠を超えた表現を可能にしている。
Tim Henson/ティム・ヘンソン|Play&Music
Tim Henson VS Ichika Nito
超絶技巧 × 超絶技巧の夢の共演
- Tim HensonとIchika Nitoはともに、タッピング、スラップ奏法、複雑なコードワークを駆使するギタリストですが、それぞれのスタイルの違いが楽しめます。
- Timはよりグルーヴ感が強く、ヒップホップやフュージョン要素を多く取り入れたプレイ。
- Ichikaは日本的なメロディアスで繊細なフレーズを得意とし、どこかクラシカルな響きも感じさせる演奏。
BABYMETAL – Brand New Day (feat. Tim Henson and Scott LePage) LIVE
BABYMETALの楽曲「Brand New Day」にて、Tim HensonとScott LePageがゲスト参加したライブ映像です。
日本のメタルとテクニカルなギタープレイが融合した独特のパフォーマンスを楽しめます。
DragonForce x Polyphia Live Euphoria – Herman Li & Tim Henson
この動画は、DragonForceのギタリストであるHerman LiとTim Hensonが共演し、Polyphiaの楽曲「Euphoria」を演奏しているライブ映像です。
両者の超絶技巧が融合した圧巻のパフォーマンスは必見です。
Tim Henson/ティム・ヘンソン|愛用機材【ギター】
Ibanez / THBB10


製品の概要
Tim Henson初のシグネチャーモデル(通称“ブラック・ビューティ”)。
2019年に発売されたこのギターは、IbanezのAZシリーズを基に開発されています。
ボディ材はアメリカン・バスウッド、ネックおよび指板にはローステッド(熱処理)メイプルを採用し、24フレットのステンレス製ジャンボフレットを装備。
ピックアップ構成はHSS(リアにミニハムバッカー、センター&フロントにシングルコイル)で、TimとDiMarzioが共同開発したNotoriousピックアップが搭載されています。
ヴィンテージシングルコイルの繊細さと適度に出力を抑えたハムバッカーの太さを両立し、5通りのピックアップセレクターでクリーンからリードまで幅広い音作りが可能です。
ローステッドメイプルネックのサテン仕上げによる滑らかな握り心地とGotoh製トレモロ(T1502)+ロッキングペグによる高いチューニング安定性も特長で、テクニカルなプレイを存分に支えてくれます。


Ibanez / TOD10




製品の概要
Ibanez TOD10(ティーオーディー10) “Tree of Death” – Timの近年のメインギターとなっているシグネチャーモデル。
2022年末~2023年に登場し、カラーはクラシックシルバーが有名です
基本デザインは先述のAZスタイルを踏襲しつつ、外観はピックガードレスでより洗練された印象に仕上がっています。
指板インレイにはIbanezの代名詞「Tree of Life」に対し、Timが「Tree of Death(死の樹)」と名付けた独自デザインが施されたエボニー指板を採用。
最大の特徴はピックアップで、アクティブ式のFishman Fluence Tim Henson Signatureピックアップ・セットを搭載している点です。
ボリュームノブのプッシュ/プル操作でピックアップのボイシングを切り替えでき、太く滑らかなハムバッカー・サウンドから、シングルコイルのようなきらびやかなクリーントーン、さらにはアコースティックギターのような響きまでカバーします。
つまり一本でクリーンからヘヴィまで“色鮮やか”に音色を使い分けられる、Timの要望に応えた画期的なモデルなのです。
ボディ材はTHBB10と同じく扱いやすい音響特性を持つアメリカン・バスウッドで、ネックはAZ Oval Cシェイプのローステッドメイプル、高強度かつ薄めのグリップで高速プレイに最適です。
ブリッジはGotoh製T1502トレモロを搭載し、激しいアーミングにも安定して応えてくれます。
まさに最新のテクノロジーとデザインを盛り込んだTim Hensonサウンドの中核となるギターと言えるでしょう。


Ibanez / TOD10N


製品の概要
こちらは異色の存在、ナイロン弦エレクトリック・ギターです。
Polyphiaのヒット曲「Playing God」の印象的なイントロなどで使用され、一躍話題になりました。外観は一見エレキのようですが厚さ約50mmの薄胴ホロウボディ構造で、中身はクラシックギターに近い設計です。
トップ板は単板シトカスプルース(ファンブレーシング構造)で豊かな鳴りを実現し、サイド&バックには温かみのあるサペリ材を使用。
ネックはエレキライクな握り心地を追求したAZ Oval Cシェイプのナトーウッドで、ナット幅46mmはガットギターとエレキの中間的サイズ。
指板はウォルナット材で、こちらにも「Tree of Death」インレイがあしらわれています。
Fishman Sonicoreピエゾ・ピックアップと専用プリアンプ(AEQ210TF、2バンドEQ&チューナー内蔵)を搭載し、アンプからナイロン弦ならではの艶やかなサウンドを出力可能。
エレキギタリストが違和感なく持ち替えられる演奏性とナチュラルなナイロンサウンドを両立した、まさに“新次元”の一本です。
Timはこのギターでフラメンコ風のフレーズや繊細なクリーントーンを表現し、Polyphiaの楽曲に新たな質感を加えています。


そのほか
その他のギター: 上記以外にも、Timは過去にIbanez AZシリーズのプロトタイプやSシリーズ、RGシリーズの7弦・8弦モデルなど様々なギターを使用してきました。


例えば、Iron Labelシリーズの7弦RGや8弦RG、タルマンシリーズのIbanez TM1730AHMをスタジオで弾いている姿も確認されています。
しかしライブやレコーディングの主力は前述のシグネチャーモデルであり、これらを中心にTim独自のサウンドが作り上げられています。
Tim Henson/ティム・ヘンソン|愛用機材【アンプ】
Orange Dark Terror & 4×12キャビネット


製品の概要
バンド初期の頃、TimとScottの両ギタリストはOrange社製の真空管アンプヘッドを使用していました。
その代表が15W出力のランチボックスサイズ高音質アンプDark Terrorです。
オレンジ色のキャビネット(PPC412型 4×12インチ)の上に小ぶりな黒いヘッドを載せた姿はライブ映像やInstagramの写真でも確認でき、見た目にも強烈なインパクトを放っていました。
Dark Terrorはシンプルな1チャンネル設計ながら強烈なゲインが特長で、モダンなディストーションサウンドに定評があります。
一方でボリュームを絞ればクランチ~クリーンも出せる懐の深さも持ち合わせており、Polyphiaのクリーンからヘヴィまで幅広い曲調に対応できるアンプと言えるでしょう。
大型キャビネットを鳴らすことで生まれる迫力ある中低音も魅力で、バンドサウンドに厚みを加えていました。
現在はライブで実際のキャビネットから音を出さず、ステージ上のアンプは飾り(見た目)として置かれていることもあるようですが、Timはオレンジアンプのようなチューブアンプについて「デジタル機材にはないレスポンスの良さがある」とその利点も認めています(※2020年代のインタビューより)。


Neural DSP / Archetype Tim Henson


製品の概要
デジタル技術への適応を示す例として、Tim自身の名前を冠したソフトウェア音源も挙げられます。フィンランド発のNeural DSP社と協力して開発したArchetype: Tim Hensonは、彼のスタジオでのアンプ設定やエフェクトチェーンを忠実に再現したプラグインソフトです。クリスタルクリーンなクランチから、深くリバーブのかかったアンビエントトーン、そしてエッジの効いたリードまで、彼の“輝くような”トーンがパソコン上で再現できると評判です。
Timは自宅やツアー先でこのプラグインを用いて作曲・練習することも多く、時代に合わせた機材選びをしています。またNeural DSPのハード機材Quad Cortexにも対応予定で、ライブ用プロファイラーとしても活用が期待されています。実際、近年のPolyphiaのライブではステージ上に置かれたチューブアンプは演出用で、実際はこうしたデジタルユニットから直接PAに送っているとも言われています。
Quad Cortexでもプラグインとして使用可能


Fractal Audio / Axe-Fx II XL


製品の概要
Timのサウンドメイキングの鍵を握るのが、こちらのデジタル・マルチプロセッサーです。Polyphiaは初期のEP制作ではLine 6 POD Farm(アンプシミュレータソフト)を活用していましたが、その後TimはFractal Audio Systemsのプロフェッショナル機材Axe-Fxシリーズに移行しました。
中でもラック型のAxe-Fx II XLはスタジオツアー動画などでTimの機材ラックに収まっている様子が確認できます。Axe-Fxは数多くの名機アンプやエフェクトをデジタル再現できる強力なモデルで、Timはこれ一台でクリーントーンからハイゲインリードまで自在に作り込んでいます。例えば代表曲「G.O.A.T」はAxe-Fxのプリセット音色(工場出荷プリセットの「Boutique」アンプ)をほぼそのまま使用して録音されたことを明かしており、「良い音が出ていれば深く弄り込みすぎない」というのが彼のスタンスのようです。
Axe-Fx導入により、ライブでも複数のアンプヘッドを持ち運ぶことなく、1台で多彩な音を再現できる利便性と再現性の高さを手に入れました。Tim曰く「プリセットを作ったエンジニアを信頼し、ユーザーは悩みすぎないこと」がデジタル機材と上手く付き合うコツだそうです。
この割り切りも奏功し、Polyphiaはデジタルアンプモデラーの活用で先進的なライブサウンドを実現しています。


Tim Henson/ティム・ヘンソン|愛用機材【エフェクター】
MXR / GT-OD


製品の概要
MXRのオーバードライブペダルで、Timはリードトーンのブーストなどに使用しています。
チューブスクリーマー系の滑らかな歪みが得られるペダルで、Axe-Fxやアンプの歪みチャンネルにプラスしてゲインとコンプレッション感を足し、ソロ時に音を前に出す用途です。実際Jim Dunlop主催のセッション映像で、このGT-ODをオンにして弾くTimの姿が確認されています。
速弾きの粒立ちを揃え、サスティンを伸ばす効果も狙っているのでしょう。


Way Huge / Supa-Puss


製品の概要
Supa-Pussはバケットブリゲード方式による温かみのあるディレイサウンドが特徴で、タップテンポ機能も備えています。Polyphiaのクリーンパートやアルペジオで聞こえる残響のあるリードフレーズは、このようなアナログディレイで生み出されている可能性があります。深いディレイをかけて音に奥行きを与えたり、リズミカルなディレイ効果でフレーズにグルーヴを加えたりと、Timの魔法のようなサウンドの陰に支える存在です。


BOSS / PQ-4


製品の概要
一見地味な存在ですが、Timはこのようなパライコを使って特定の周波数帯をブーストしたりカットしたりすることで、ソロ時に他の楽器と音域がぶつからないようトーンメイキングしていると考えられます。例えば中音域を持ち上げて抜けを良くしたり、不要な低音を絞って音をタイトにするなど、細かな音質調整に用いているのでしょう。彼の高度なサウンドメイク術を垣間見せる機材です。
Chase Bliss Audio / Blooper


製品の概要
一般的なルーパーと異なり、録音したフレーズに対してリバース再生やフィルター、スタッター(断片化)効果など様々な「いたずら(Blooper=書き損じの意)」的加工を加えられるのが特徴です。Timはこのペダルを使って、ライブ中に自分のフレーズをサンプリングし、その場で音を重ねたり変調させたりと、即興的にサウンドを構築しているようです。Polyphiaの曲中で聴こえる不思議なループサウンドやグリッチノイズ的な効果は、このようなクリエイティブなペダルから生まれているのかもしれません。


Tim Henson/ティム・ヘンソン|愛用機材【その他】
Ernie Ball /Tim Henson Signature Electric Guitar Strings – 9.5-46 Gauge


製品の概要
Paradigmコアによる高い耐久性
- 弦のコア部分にErnie BallのParadigm技術を採用し、強度と耐久性を向上。
コバルト巻き線による豊かなトーン
- コバルト素材の巻き線を使用し、出力、ハーモニクス、サステインを強化。クリアでクリーンな高音域を実現。
カスタムゲージ構成
- Tim Hensonの好みに合わせたゲージ構成:9.5、12、16、26、36、46。


コメント