【レッチリ】John Frusciante/ジョン・フルシアンテの使用機材【アンプ・ギター・エフェクター】

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国内外で活躍するギタリストの愛用機材をまとめて取り上げる「プレイヤーズ・リグ」

「音を削ぎ落とすことで、感情が増幅する──」

ギタープレイには、そんな逆説的な力が宿っています。

レッド・ホット・チリ・ペッパーズ(RHCP)の中核を担うギタリストとして、1990年代〜2000年代の黄金期を築き、
2020年代にはさらに深化した“音の探究者”として帰ってきた

John Frusciante/ジョン・フルシアンテ


ヴィンテージギター、真空管アンプ、シンプルなエフェクター。
一見するとこだわり派の王道をいくようですが、ボードにはMoogやLine 6、マニアックなフィルター系ペダルも並びます。
そのセッティングはまさに、「引き算の美学」と「前衛的実験精神」の融合です。

本記事では、John Fruscianteのこれまでのキャリアとともに、
使用ギター、アンプ、エフェクター、アクセサリー類を通年で網羅的に解説
ファンやコピーを目指すプレイヤーがすぐに参考にできる内容に仕上げています。

目次

John Frusciante/ジョン・フルシアンテ|Profil

生年月日:1970年3月5日
出身:アメリカ・ニューヨーク州クイーンズ

Biography

幼少期〜加入前:クラシックと前衛に包まれた少年時代

John Anthony Fruscianteは、1970年3月5日、アメリカ・ニューヨーク州クイーンズに生まれる。
父親はピアニストで音楽教師、母親はヴィオラ奏者という芸術的な家庭で育ち、幼少期から音楽に触れる環境にあった。

家族でカリフォルニアへ移住したのち、彼はFrank ZappaやThe Velvet Undergroundといった前衛音楽に熱中する一方で、Jimi HendrixやJimmy Pageといったギターヒーローにも傾倒していく。
14歳の頃にはすでにギターを弾き込み、FenderやMarshallといった機材にも強いこだわりを持ち始めていた。

のちに彼が加入することになるRed Hot Chili Peppers(以下RHCP)の初代ギタリストHillel Slovakに強く影響を受け、彼の音色やステージングを独自に研究していたという。

1988〜1992:RHCPへの電撃加入と“異端”の大ブレイク

1988年、わずか18歳のジョンは、Hillelの急逝を受けてRHCPのギタリストとして加入。
バンドはアルバム『Mother’s Milk』(1989)で彼の加入後初の音源をリリースし、その才能が一気に開花する。

さらに次作『Blood Sugar Sex Magik』(1991)は、FunkとRockを融合した唯一無二の世界観で世界的ヒットとなり、ジョンはそのサウンドの“心臓部”として注目を集めた。
特に「Under the Bridge」「Give It Away」などの楽曲における“弾かない美学”は、多くのギタリストの価値観を変えることになる。

だが、急速な成功は彼の精神を蝕んでいった。
突如スターとなったプレッシャー、ツアーへの倦怠感、音楽と現実の乖離――
ジョンは1992年、ツアー中にバンドを離脱する。

1993〜1997:自己破壊と再生の時代

脱退後、ジョンは重度の薬物依存に陥り、心身ともに崩壊しかける。
歯は抜け、体重は激減し、かつての天才ギタリストは見る影もなくなった。

しかしこの暗黒期にも、彼は音楽だけは絶やさなかった。
自宅で録音されたローファイな実験作『Niandra LaDes and Usually Just a T-Shirt』(1994)には、
壊れゆく感性のなかに宿る彼の美意識が生々しく記録されている。

そして1997年、リハビリ施設での治療を経て薬物から脱却。
音楽への情熱と精神の回復は、奇跡の再始動へと繋がっていく。

1998〜2009:カムバックと黄金期の音楽的爆発

1998年、ジョンはRHCPに電撃復帰。
99年リリースの『Californication』では、以前よりもメロディアスで、より“歌うような”ギターサウンドでシーンを圧倒する。

以降『By The Way』(2002)、『Stadium Arcadium』(2006)といったアルバムで、彼は作曲・編曲・機材に至るまでバンドの核を担い続けた。
この時期に構築された“クリーン+コーラス+シングルコイル+Marshall”というスタイルは、のちに「ジョン系ギターサウンド」として定着することになる。

またソロキャリアも積極的に展開し、エレクトロニカ・ドラムンベース・アシッドハウスなどを取り入れた前衛作品も数多く発表。
“ロックギタリスト”という枠を超えた表現者へと進化していく。

2009〜2019:沈黙と内的深化の10年間

2009年、再びRHCPを脱退。
理由は「他人と音楽を共有するのではなく、自分の探究を深めたいから」という極めて音楽的なものだった。

この間、彼はJohn Frusciante名義でのリリースから遠ざかり、「Trickfinger」名義でアナログシンセによるアシッドハウス作品を発表。
MIDI機器、シーケンサー、ビンテージリズムマシン、モジュラーシンセなどを使いこなす完全DIYミュージシャンとしての顔を覗かせた。

誰よりもギターを愛していながら、そのギターさえ捨てることで音楽に誠実であろうとする――
そんなジョンの“覚悟”が現れた時代でもある。

2020〜現在:第三期RHCPとしての新たな旅路

2019年末、突如RHCPへの3度目の復帰が発表され、世界中が歓喜に沸いた。
2022年には『Unlimited Love』と『Return of the Dream Canteen』を連続リリースし、ライブツアーも世界規模で再始動。

ギタープレイはかつてよりもさらに柔らかく、空間的で、“余白の美”と“深み”が共存する新たな領域に到達している。
かつてのFruscianteではなく、今のFruscianteだからこそ弾けるギターがそこにある。

シンセやファズ、Moog、フィルター、アナログディレイなどを縦横無尽に操るステージは、まさに音の魔術師そのもの。

一度壊れ、何度も戻り、再構築されてきたこのアーティストの軌跡は、
「ギターとは何か」「音楽とは何か」という根源的な問いへの、一つの答えである。

John Frusciante/ジョン・フルシアンテ|Play&Music

RHCP – Don’t Forget Me LIVE

このパフォーマンスは、ジョン・フルシアンテの感情豊かなギタープレイとボーカルが融合した名演として知られています。​彼のソロパートでは、繊細なタッチと情熱的なフレーズが交錯し、観客を魅了します。​特に、彼の表情や身体の動きから伝わる感情の深さは、この映像の大きな見どころです。

Red Hot Chili Peppers – Eddie – Epic Solo by John Frusciante – LIVE Austin City Limits 2022

この映像は、エディ・ヴァン・ヘイレンへのトリビュートとして披露された「Eddie」のライブパフォーマンスです。​ジョン・フルシアンテは、彼の影響を受けたギターテクニックを駆使し、感情的なソロを展開しています。​特に、彼のテクニカルなプレイと感情表現のバランスが絶妙で、ファンにとっては見逃せない映像です。

John Frusciante – Tiny Dancer [First Time Since 2007] 

エルトン・ジョンの名曲「Tiny Dancer」をカバーしたこのパフォーマンスは、ジョン・フルシアンテの音楽的な幅広さと敬意を示しています。​彼の繊細なギタープレイとソウルフルなボーカルが融合し、原曲とは一味違った魅力を放っています。​この映像は、彼の音楽的な多様性と深い感情表現を感じることができる貴重な一幕です。

John Frusciante/ジョン・フルシアンテ|愛用機材【ギター】

Fender / Stratocaster (1962年製 Sunburst)

機材解説

ジョン・フルシアンテと言えばまずこの1962年製フェンダー・ストラトキャスター(サンバースト)です。ローズウッド指板のこのヴィンテージ・ストラトはジョンのトレードマークで、RHCPでのほぼ全ての楽曲の土台となるメインギターとして使用されています。1999年の『Californication』制作時に入手して以来、レコーディングでもライブでも「ミート&ポテト」(料理の主食)のように欠かせない存在となりました。ジョンはこのギターの太く暖かいトーンを特に気に入っており、クリーンからクランチまで表現力豊かな音色で楽曲を支えています。ピックアップはオリジナルではなくSeymour Duncan SSL-1に交換済みで、このビンテージシングルコイルが生むまろやかなサウンドがお気に入りポイントです。

この’62ストラトの魅力は経年によるボディやネックの極上の鳴りにあります。長年の使用で塗装は剥がれ、無数の傷や打痕が刻まれていますが、それも含めてジョンにとって唯一無二の楽器です。フェンダー・カスタムショップからはこのギターを忠実に再現した限定シグネイチャーモデル「John Frusciante Stratocaster」が発売されており、色あせたラッカーや無数の傷まで再現された逸品となっています(現在入手困難ですが、ファンには垂涎のモデルです)。ジョン本人はヴィンテージの実機を引き続き愛用しており、ライブでは主にこの’62ストラトでリズムギターからリードまで幅広く対応しています。「なぜジョンはこのギターばかり使うのか?」という疑問に対しては、現ギターテックのヘンリー・トレホも「この’62がすべての音の肉と骨格だから」と語っており、他のギターはソロや特殊な音色用に使い分ける程度だと説明しています。

Fender / Stratocaster (1955年製 Sunburst)

機材解説

ジョンがもう一本特に愛用するのが1955年製フェンダー・ストラトキャスター(サンバースト)です。メイプル指板のヴィンテージ・ストラトで、1998年にバンド復帰した際にまず手にした思い出のギターでもあります。

この’55ストラトは音色がよりまろやかで落ち着いたトーンを持つのが特徴で、現場では激しいリードを必要としない楽曲で使われます。例えばライブでは「Don’t Forget Me」のようなスローで雰囲気重視の曲でこのギターに持ち替え、優しく甘いトーンでアルペジオやバッキングを奏でています。また、意外なところではドロップDチューニングのヘヴィな新曲「These Are the Ways」でもこのギターを使用しており、太い低音弦の鳴りを活かしています。

ライブでは1晩に2〜3曲で登場するサブ的な位置付けですが、ジョンにとってなくてはならないギターです。実はこのギター、かつてスタジオのラウンジに立て掛けていた際にアンソニー・キーディス(RHCPのボーカル)に誤って倒されてしまい、指板の一部に大きな欠けが生じたというエピソードもあります。その欠けた部分は後に修復されていますが、ジョンはそうした傷も含めてこのギターに愛着を持っています。

現在市場で’50年代のストラトキャスターを手に入れるのは困難ですが、フェンダーのAmerican Vintage IIシリーズなどで近いスペックのモデル(メイプル指板の50sストラト)が入手可能です。ジョンの’55のような円熟味あるトーンを求めるなら、ヴィンテージスタイルのストラトに加え、あえてピックアップ出力を抑えめにしたSSL-1のようなシングルコイルを選ぶのがポイントでしょう。

Fender / Jaguar 1960s Fiesta Red

機材解説

ヴィンテージストラトをメインとするジョンにとって、Jaguarのような“変化球”ギターは特殊な用途で活躍する存在。
その中でも特に有名なのが、鮮やかなフィエスタレッドの1960年代製Fender Jaguarだ。

このギターが目立って使われたのは『By the Way』期で、ライブでは「Scar Tissue」「Parallel Universe」など、トリッキーなコードやアルペジオが重要な楽曲で登場している。Jaguar特有のショートスケールとロー出力ピックアップによる“キュッ”と引き締まったトーンは、ストラトでは出せない切れ味を提供してくれる。

また、独特のスイッチ類やブリッジ構造を駆使することで、やや不安定ながらも人間味のある音を演出可能。ジョンにとってJaguarは、サウンドの幅を広げるための選択肢として、重要なポジションを占めている。

Fender / Telecaster Custom 1960s

機材解説

ジョンが愛用するギターの中でもあまり知られていないが、確かに存在感を放っているのがこのテレキャスター・カスタム。
1960年代製の個体で、ブラックピックガードとサンバーストボディの組み合わせが渋い一本。

ライブでは「Under the Bridge」のイントロや、「Snow ((Hey Oh))」のクリーンアルペジオでこのテレキャスターが使われた可能性が高いとされている。ストラトに比べてハイが立ち、音の立ち上がりが速いため、リズムセクションとの噛み合わせが非常に良い。

現在のボードにも時折組み込まれており、必要に応じて持ち替えられるサブギターとして機能している。ジョンのギター哲学において、テレキャスターはあくまで“特定の味付けをするための香辛料”であり、その出番は限られるが、確かに効いている。

Gibson / Les Paul Custom(1970s)

機材解説

あまり知られていないが、ジョンはRHCP初期にGibsonのレスポール・カスタムも使用していた。
特に1989年の『Mother’s Milk』ツアーや、ファンク色の強い楽曲のスタジオ録音では、太く丸いトーンが求められる場面で登場していた。

レスポール特有の中低域の厚みとサステインは、ストラトでは出せない重さを加えてくれる。ライブでの使用頻度は低かったが、ファズやDS-1などの歪みペダルと組み合わせることで、爆発的なリードトーンを実現するために使われた。

「Higher Ground」のような濁ったパワーリフを録音したのがこのギターではないかという説も根強く、Fruscianteの初期音源を追求するうえでは注目すべき1本だ。

Gibson / SG Custom(1961)

機材解説

ジョンが使ったギブソンギターの中でも特に明確に使用記録が残るのが、1961年製のGibson SG Custom。
Californication期の「Otherside」の録音でこのギターを使ったことが確認されている。

SGの薄いボディと軽快なレスポンス、そしてハムバッカーの太い音が融合し、他のギターとは一線を画すリードトーンを生み出している。マーシャルとの相性も抜群で、クランチ一歩手前の“粘り”を引き出すには理想的なスペックだ。

ジョンにとってSGは、あくまで「特定の音色のための道具」。その美しい外観以上に、あの音が必要な瞬間だけ選ばれる、静かなるスタンバイ機なのだ。

John Frusciante/ジョン・フルシアンテ|愛用機材【アンプ】

Marshall / Silver Jubilee 2555 (100W)

機材解説

ジョンのギターサウンドを支えるアンプとして有名なのが、**マーシャルのシルバー・ジュビリー2555(100Wヘッド)**です。1987年にマーシャル創業25周年を記念して発売されたこの限定モデルは、シルバーの筐体が目印で、クラシックなマーシャルサウンドに現代的なゲインを加えたパワフルなアンプとして知られます。ジョンはRHCP復帰後、このSilver Jubileeをメインアンプの一つに据えました。強力な歪みとパンチのあるトーンが特徴で、クリーンよりもクランチ〜リードトーンで真価を発揮します。マーシャルならではの図太い中音域はファンクのカッティングでも埋もれず存在感を放ち、ジョンの激しいカッティングやソロでも輪郭を保ってくれます。

現在ジョンはライブでこのシルバージュビリーを2台体制のアンプセットの一翼として使用しています(もう片方は後述のMarshall Major)。過去のライブ写真ではステージの左側にジュビリーがセットされているのが確認されており、歪みチャンネルで適度にドライブさせつつクランチリズム〜リードに利用しているようです。ジュビリーは100Wと高出力ですが、ジョンはアンプ自体の歪みは控えめに、ペダル(後述のDS-2など)で追加の歪みを作ることが多いです。このアンプを選ぶ理由として、ヴィンテージとモダンのバランスが挙げられます。古典的なマーシャルの暖かさと、80年代製ならではのハイゲイン性能の両方を兼ね備えているため、クリーンからディストーションまで幅広く対応できるのです。

シルバージュビリー2555は現在オリジナルは入手困難ですが、マーシャルから復刻版の2555Xや20W版の2525Hが発売されています。ジョンの音に近づきたいギタリストには、この復刻モデルが現実的な選択肢でしょう。実際、ジョンがジュビリーから得ている図太い歪みは、市販のマーシャル系アンプで再現しやすく、ペダルブーストとの組み合わせで彼のサウンドキャラクターに近いトーンを作ることが可能です。

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Marshall 1967 “Major” (200W)

機材解説

ジョンのもう一つの主力アンプが、マーシャル・メジャー(1967年製 200W)です。通称「Major」はマーシャルが1960年代後半に開発した伝説的モデルで、その名の通り当時主流だった100Wをはるかに上回る200Wの爆音出力を誇ります。ザ・フーのピート・タウンゼントやレッド・ツェッペリンのジミー・ペイジも使用したことで有名で、ヴィンテージアンプ・マニア垂涎の一台です。ジョンはこのMarshall Majorを長らく所有しており、バンド復帰後のライブではシルバージュビリーと並べてステージに設置しています。

200Wという桁外れのクリーンヘッドルームを持つため、Majorはクリーントーンでも音量を上げても歪まないという利点があります。ジョンはこの特性を活かし、Majorをクリーン気味の設定で鳴らし、ペダルでブーストして歪みを作る手法を取っていると推測されます。つまりSilver Jubileeが持つアンプ自身の歪みと、Majorのクリーンクランチをブレンドすることで、太く存在感がありながらも各弦の分離感が高いトーンを実現しているのでしょう。実際、2020年のライブでは向かって右にMajor、左に70年代マーシャル(JMP 2203)と思われるヘッドをセットし、多彩なクランチサウンドを使い分けていたとの目撃情報もあります。

マーシャル・メジャーは現在生産されておらず、中古市場でも極めて高価です。同じようなクリーンヘッドルームを求めるなら、現行のマーシャルSuper Lead(1959HWなど)や他社のハイワット200などを検討する必要があります。ジョンのようにペダル主体で歪みを作るスタイルの場合、クリーンでパワフルなアンプはまさに理想的です。彼がMajorを好む理由も、「ペダルの音をありのまま増幅してくれるキャンバス」のようなアンプだからでしょう。なおレコーディングでは、MajorほどではないもののFender Twin Reverbなどのクリーンアンプも併用しています。クリーンの美しさが重要な曲(例:「Under the Bridge」のアルペジオ)はフェンダーのブラックフェイス系アンプで録音されており、ジョンは曲に応じてアンプを使い分けています。

John Frusciante/ジョン・フルシアンテ|愛用機材【エフェクター】

BOSS / DS-2 Turbo Distortion

機材解説

ジョン・フルシアンテの歪みサウンドの中核を担うペダルが、オレンジ色のコンパクトエフェクターBOSS DS-2ターボ・ディストーションです。90年代初頭から現在に至るまで、ジョンは一貫してこのDS-2をメインのディストーションペダルとして使用しています。レッチリの代表曲「Suck My Kiss」や「Dani California」の分厚いリフから、「Snow ((Hey Oh))」のようなソロパートまで、実に幅広い場面で活躍しています。DS-2はシンプルな2ノブのディストーションですが、「TURBOモード」スイッチにより2種類の歪みキャラクターを持つのが特徴です。ジョンはこの機能を活かし、1台でクランチ〜リードまで使い分けてきました。

驚くべきは、最近のジョンのペダルボードにはDS-2が2台並んでいることです。なぜ同じペダルを2つ?と不思議に思うかもしれませんが、これには明確な意図があります。ジョンは1台のDS-2を歪み弱めの設定にし、後述するSD-1やファズと組み合わせてリードトーンを作るために使用しています。例えば「The Heavy Wing」のソロではDS-2(弱め設定)+SD-1+Variac Fuzzという多段ブーストで独特の粘りあるリードサウンドを出しています。もう1台のDS-2はターボモードかつ歪みMAXに設定し、「Dani California」のサビのような激しいリフやパワーコード部分でスイッチ一発で強烈な歪みを得るために使っています。曲中でツマミをいじる手間を省き、踏み替えるだけで別設定の歪みを即座に呼び出せるよう2台体制にしているのです。このようにDS-2二刀流は、ジョンがライブで多彩な歪みサウンドを再現する工夫と言えます。

DS-2はBOSSの現行ラインナップで今も入手可能な定番ペダルです。新品でも手に入りやすく価格も比較的手頃なので、ジョンの歪みサウンドを真似したいギタリストにはまずおすすめされます。ポイントはアンプをクランチ程度にとどめ、このペダルで追加ゲインを稼ぐジョン流の使い方です。またジョンは常時オンにせず、曲やパートに応じて踏む運用をしています。DS-2自体はシンプルですが、ジョンはそれを複数駆使したりブースターと組み合わせたりすることで奥行きのあるディストーションを作り出しています。

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Ibanez / WH-10 Wah Pedal

機材解説

ファンク・ロックに不可欠なワウサウンドを語る上で、ジョン・フルシアンテ愛用のIbanez WH-10ワウペダルは欠かせません。WH-10は1980年代後半に発売されたアイバニーズ製ワウで、一般的なJim Dunlop製Cry Babyとは一味違う太い低音と深いレンジが特徴です。ジョンはRHCP加入当初からこのWH-10を使用しており、「Give It Away」や「Sir Psycho Sexy」などファンク色の強い曲で激しく踏み込むワウプレイを披露しています。WH-10特有の噛みつくようなフィルターサウンドとジョンのピッキングが相まって生まれるグルーヴは、まさに彼の代名詞となりました。

オリジナルのWH-10はプラスチック筐体ゆえ壊れやすく、ジョンもツアー中に何台も破損させたと言われています。しかし彼のワウへのこだわりは強く、壊れても必ず同モデルを使い続けました。現在ではアイバニーズから改良版のWH10V3(第3世代)が発売されており、筐体が金属製に変更され耐久性が向上しています。ジョンも最新のボードではこのWH10V3を使用しており、さらにWilson Effects社によるモディファイを施したものを使っていることが確認されています。改造内容の詳細は公表されていませんが、おそらくオリジナルWH-10の音色特性を忠実に再現するための調整(例えば音痩せ対策や周波数レンジのチューニング)がなされていると思われます。

このようにジョンはWH-10のサウンドに強い愛着を持っています。その理由は、通常のワウよりレンジが広く低域が太いことで、シングルコイルギターでも腰のあるワウトーンが得られる点にあります。特に彼のカッティング奏法と組み合わさると、リズムに躍動感を与える武器となります。市販のWH10V3は比較的安価で手に入る上、ジョンのようにギター→ワウ→ディストーションの順で繋げば、あの「ギュイーン」という存在感あるワウサウンドに近付けます。ジョンはライブでもソロの一部などでワウを多用しており、そのたびに観客を沸かせています。**「ジョンのワウは何を使っているの?」**というファンの疑問には、自信を持ってこのIbanez WH-10だと答えられるでしょう。

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BOSS / CE-1 Chorus Ensemble

機材解説

ジョン・フルシアンテのクリーントーンを語る際に見逃せないのが、伝説的エフェクターBOSS CE-1 Chorus Ensembleです。1970年代に発売されたビンテージ機種で、コーラス/ビブラート効果とプリアンプ回路を内蔵しています。ジョンはこのCE-1を90年代から使用しており、実はコーラス効果そのものよりも内蔵プリアンプの音質を重宝しています。CE-1のプリアンプは独特の太さと艶をクリーントーンに与えるため、ジョンはクリーン〜クランチの常時ONブースター的にCE-1を使い、自身の基礎トーンを形成しているのです。

有名な話ですが、「Under the Bridge」のイントロなど美しいクリーンサウンドの裏にも、このCE-1が関与しています。ギター→CE-1プリアンプを通すことで、音に暖かみとコンプレッション効果が加わり、アンプ直よりリッチなクリーンになります。さらに必要に応じてコーラスを薄く掛け、広がりを与えることもできます。ジョンの歪みサウンドにおいてもCE-1は重要です。ディストーションの前段にプリアンプとしてCE-1をかますことで、歪んだ音にも芯が生まれ、存在感が増すのです。現在のデジタル機材では代用が難しいアナログ回路の妙と言えます。

CE-1は既に生産終了して久しく、中古市場でも高価ですが、BOSSからはコンパクトサイズの復刻版CE-2W(技クラフト)が出ています。ただしユーザーから指摘されている通り、CE-2Wはプリアンプ機能を搭載していないためジョンのトーンメイク完全再現には至りません。ジョン本人は現在もオリジナルのCE-1ユニットをボードに組み込み続けています。このように派手さこそないものの、CE-1はジョン・フルシアンテサウンドの「縁の下の力持ち」として極めて重要な役割を果たしています。

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MXR / M133 Micro Amp

機材解説

歪みペダルとアンプの間で、ジョンが常にONにして使用する秘密兵器がMXR M133 Micro Ampです。白い小型ペダルのMicro Ampはシンプルなワンノブのクリーンブースターで、音色を変えずに音量だけをブーストするものです。ジョンはこのペダルを90年代からボードに入れており、特にクリーントーン時に踏みっぱなしにして音に張りと押し出し感を与えています。シングルコイルPUのストラトは音が細くなりがちですが、Micro Ampで少し持ち上げることで存在感が増し、バンドアンサンブルでも埋もれにくくなる効果があります。

歪みサウンドにおいてもMicro Ampは有効です。例えばディストーション(DS-2)の前段に置いてブーストすれば、ゲインとサステインが増してソロでの伸びやかさがアップします。ジョンはソロ時にこのブースターを踏み込んで音量と歪み量を同時に上げ、抜けるリードトーンを作っています。常時ONブーストとして使うか、ソロ時のブースターとするか状況で使い分けているようです。近年のボードでもMicro Ampは健在で、真っ先にシグナルチェーンに組み込まれているのが確認できます。

Micro AmpはMXRから現在も販売中で、価格も手頃なため多くのギタリストに愛用されています。ジョンのようにサウンドメイクの土台として使うなら、セッティングは控えめにして**「いないと物足りないが、いると丁度良い」くらいのブースト量に留めるのがコツです。ジョンは音作りにおいて「引き算の美学」を大事にしていますが、Micro Ampはその哲学の中で最小限の足し算**として機能し、シンプルな機材構成に厚みを与えています。

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MXR / M236 Super Badass Variac Fuzz

機材解説

ジョンは復帰後の新作『Unlimited Love』(2022年)で新たなエフェクトペダルも積極的に導入しました。その中でも注目すべきが、MXRの最新ファズペダル**Super Badass Variac Fuzz (M236)**です。これはMXRが近年リリースしたハイゲイン・ファズで、内部電圧を下げてビンテージファズのようなくすんだトーンを得られる「Variac」スイッチが特徴です。ジョンはUnlimited Loveのレコーディングでこのペダルを使用し、新境地のファズサウンドを楽曲に取り入れました。

特に「Black Summer」や「The Heavy Wing」など、一部の新曲で聞ける分厚くサステインの長いリードトーンには、このVariac Fuzzが関与していると考えられます。ジョンは従来あまりファズを多用しないギタリストでしたが、新作では楽曲毎に異なる質感を出すためにファズにもチャレンジしています。MXR Variac Fuzzは従来のファズフェイス系ともビッグマフ系とも違う攻撃的かつレトロな歪みを生み、ジョンのお気に入りペダルの仲間入りを果たしました。

このペダルは現在もMXRから入手可能で、市販モデルとして一般ギタリストも体験できます。ジョンはライブボードにもVariac Fuzzを組み込み、リードブーストとしてSD-1やDS-2と組み合わせて使用しています。また、MXRから提供されたこのペダルを含むいくつかのモデル(後述するM78ディストーションやM300リバーブなど)は「ジョンの新定番ペダル」として注目されています。ファズ=古臭いというイメージを良い意味で裏切る、新旧の良さを併せ持つファズサウンドがジョンの最新サウンドメイクに活かされているのです。

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BOSS / SD-1 Super OverDrive

機材解説

ジョンの足元には近年、イエローのコンパクトペダルBOSS SD-1 スーパーオーバードライブも加わりました。SD-1は往年の名機で、中低域に温かみのあるマイルドなオーバードライブを作ります。ジョンはこのペダルを単独で歪み用途にするというより、他の歪みと組み合わせてブーストする用途で用いています。例えば先述の通り、DS-2やVariac Fuzzと組み合わせてリードトーンを強化する際にSD-1をオンにし、ゲインとミッドレンジをプラスしてソロを際立たせています。

SD-1の良さは、激しく歪ませても音が潰れすぎず、弾いたニュアンスが残る点です。ジョンはそこを評価して採用しているのでしょう。特にオールドスタイルのチューブアンプ(Marshall Majorなど)との相性が良く、耳に心地よい倍音成分を付加してくれます。SD-1自体はBOSSの定番中の定番で新品入手も容易、価格も安価です。ジョンのボードに組み込まれたことで再び脚光を浴び、ファンの間では**「なぜ今さらSD-1を?」**と話題になりました。しかしジョンの意図としては、新曲群で必要となった繊細な歪み調整や、DS-2だけでは得られない中音域の厚みを補うためだったと考えられます。長年ディストーション一辺倒だった彼がオーバードライブを足した背景には、音作りの幅を広げたい現在の心境が表れているのかもしれません。

SD-1は単独でもクランチなリズムやブルージーなリードに向いた名機ですので、ジョンのファン以外にもおすすめできるペダルです。ジョン流の使い方を真似るなら、歪みペダルとアンプの間にSD-1を配置し、ゲイン控えめ・レベル高めに設定してブースター的に活用すると良いでしょう。

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Electro-Harmonix / Big Muff Pi (USA)

機材解説

ジョンはファズペダルとして、前述のMXR Variac Fuzzの他にElectro-Harmonix社のBig Muff Piも古くから愛用しています。ビッグマフは1970年代からの定番ファズ/ディストーションで、分厚いサステインと独特のハーモニクスが特徴です。ジョンはカリフォルニケイション期からビッグマフをボードに組み込んでおり、特にサステインを伸ばしたいソロで踏むことがあります。例えば「Californication」のソロではDS-2ではなくビッグマフで滑らかなリードトーンを作ったとも言われますし、「Throw Away Your Television」ライブ版の長いサスティン奏法でもビッグマフらしき音色が確認できます。

現在のボードでも**EHX Big Muff (USAモデル)が据えられており、1番目立つ位置に配置されています。ジョンはおそらく、このペダルを単独で使うというよりDS-2との併用や、曲によって踏み分けているのでしょう。ビッグマフは音が太く埋もれがちな難しさもありますが、彼の場合マーシャル系アンプのトレブルを上げめに設定することで輪郭を保っています。ファズ好きなファンにとって、ジョンがビッグマフ派であることは嬉しい点かもしれません。ビッグマフは現行品が入手容易なので、「ジョンのあの分厚いソロサウンドを出したい」**と思ったらまず試してみる価値があります。

ジョンがビッグマフを気に入っている理由としては、長い伸びと独特の粘りが挙げられます。DS-2では得られない持続音とヴィンテージ感のある荒々しさを、このペダルで補完しているのです。とりわけライブでは、曲のクライマックスでビッグマフを踏み、一気に厚みとサステインを増したギターソロで観客を魅了しています。

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Line 6 / FM4 Filter Modeler

機材解説

ジョンのエフェクトボードの中でもひときわ異彩を放つのが、紫色のペダルLine 6 FM4です。FM4はフィルターモデラーと呼ばれるマルチエフェクトで、オートワウやシンセ的なフィルター効果、シーケンサー風エフェクトなどモジュレーション系の特殊効果を多数内蔵しています。ジョンは2000年代初頭、『By the Way』アルバム制作時にこのFM4を導入し、「Can’t Stop」のライブイントロのフィルターフィードバック音や「Throw Away Your Television」の電子音のような効果音などに活用しました。

特に「Throw Away Your Television」で聞ける、まるでシンセベースがうねるような音色はFM4の代表的プリセット「Synth-O-Matic」を使ったものと言われます。ジョンはこれを曲中で足元で踏んでオンにし、奇妙なフィルターサウンドをギターで表現していました。従来のアナログペダルでは得られない飛び道具的効果がFM4一台で可能なため、ジョンは創造性を広げる目的で採用したのでしょう。最新のUnlimited Loveツアーでも、このFM4がボードに組み込まれており、なんと2台のFM4を併用しているとの噂もあります(実際にボード写真を見ると複数台確認できる)。おそらく異なるプリセットを瞬時に使い分けるために2台体制にしているのでしょう。

FM4はライン6から現在も発売されています。そのユニークな効果は一見地味なギタリストの足元に置かれがちなコンパクトペダル群の中で異色ですが、ジョンのように楽曲のアクセントとして活用すれば強力な武器になります。価格はやや高めですが、オートワウやフィルター、シンセサウンドなど複数のペダルの役割をこれ1台で果たせると考えれば価値は高いでしょう。ジョンはこのFM4で得たサウンドを駆使し、RHCPにおいてギターでシンセのような役割さえも果たしています。

Line 6
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Mu-Tron / Micro-Tron IV & Moog MF-101

機材解説

ファンクミュージック好きのジョンにとって、オートワウ/エンベロープ・フィルター系のエフェクトも重要です。その代表格が、近年ボードに追加されたMu-Tron Micro-Tron IVMoog Moogerfooger MF-101 Low Pass Filterです。Mu-Tronは70年代にクラシック機種「Mu-Tron III」で有名なフィルターペダルですが、Micro-Tron IVはその現行アップデート版で、小型ながらあのファンキーなクォーク音を再現できます。ジョンはおそらく「Aquatic Mouth Dance」など新曲のファンキーなカッティングでMicro-Tronを使い、カッティングのアタックに追随して「ワウッ」と鳴る心地よいオートワウ効果を得ているでしょう。

一方Moog MF-101はアナログシンセの名門Moogが出したフィルターペダルで、ラダーフィルターによる極めて滑らかなローパス効果が特徴です。ジョンはMF-101と後述するコントローラー(CP-251)を組み合わせ、LFOで自動化されたフィルタースウィープなどシンセライクな効果を追求しています。例えば「Pink Floydのようなフィルターのかかったソロをギターで再現したい」といった場面で活躍しているようです。

これらフィルター系エフェクトは地味に思えますが、ジョンは音の隙間に表情をつけるスパイスとして多用しています。特にリズムギター中に軽くフィルターを効かせるとグルーヴが増すため、ライブでも細かくオンオフしています。Mu-Tron Micro-Tron IVは現行品として入手可能で、オリジナルMu-Tron IIIに比べれば入手性は良好です。MF-101はMoogが生産終了していますが、中古市場で手に入ればプロレベルのフィルターサウンドを体感できます。ジョンのプレイをコピーする上では必須ではありませんが、「なぜジョンのクリーンカッティングはあんなにファンキーなのか?」という疑問には、背後でこうしたエフェクトが subtly 効いている可能性があると付け加えておきます。

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Boss DD-500 & その他のディレイ

機材解説

ジョン・フルシアンテはディレイ(遅延エフェクト)も巧みに使い分けてサウンドに奥行きを与えています。現在のボードの中枢としてBOSS DD-500 デジタル・ディレイが組み込まれており、複数メモリを駆使して楽曲に応じたディレイタイムやリピート回数をプリセットしています。例えば「Snow ((Hey Oh))」のソロで僅かに厚みを足すスラップバックディレイや、「Don’t Forget Me」のライブで聞ける深遠なアンビエントディレイなど、DD-500一台で多彩なディレイ効果を実現しています。

さらにジョンのボードには**Digitech PDS-1002 (2秒デジタルディレイ)**というビンテージ機や、MXR Carbon Copy(アナログディレイ)Dunlop EP103 Echoplex(テープエコー風ディレイ)なども含まれています。これらはそれぞれキャラクターが異なり、PDS-1002はローファイなデジタルディレイで90年代から「Under the Bridge」アウトロなどに使われ、Carbon Copyは暖かいアナログエコーでショートディレイに使用、Echoplexは往年のテープエコーの揺らぎを再現してソロに厚みを加える用途です。ジョンは1曲の中で複数のディレイをシームレスに使い分けることもあり、足元で器用に切り替えている様子が見られます。

これだけ多彩なディレイを揃える理由は、曲によって必要な残響感が異なるからです。ジョンは音作りの細部までこだわり、空間系エフェクトも最適なものを選んでいます。DD-500は現行モデルで手に入りやすく、プロクオリティのディレイサウンドを網羅しているため、ジョンのディレイ使いを模倣するにはまずDD-500を導入するとよいでしょう。さらに余裕があればCarbon Copyのようなアナログディレイを組み合わせ、デジタルとアナログの質感の違いを表現するのもジョン流です。**「ジョンの音が厚く広がりがあるのはなぜ?」**という疑問には、背後でこれら複数のディレイが巧みに使われていることが答えとなります。

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MXR / M300 Reverb

機材解説

意外にも、2000年代までジョンはリバーブペダルをほとんど使っていませんでした(アンプのスプリングリバーブ程度でした)。しかし復帰後の最近のボードを見ると、MXR M300 リバーブが2台も組み込まれています。M300 ReverbはMXRが放つ高音質リバーブで、プレート、スプリング、ホールなど6種類のモードを搭載しています。ジョンはこのペダルを2台使用することで、それぞれ異なるリバーブ設定を用意し曲中で切り替えているようです。例えば一方はプレートリバーブで短めに残響を付与し常時うっすら掛け、もう一方はホールリバーブで長い残響をソロなどにかける、といった具合かもしれません。

このMXRリバーブも、前述のVariac Fuzz同様、Unlimited Love期にジョンが新たに導入したMXRペダル群の一つです。レコーディングではアンビエントな空気感を演出するのに大いに貢献し、楽曲ごとに深みを加えています。特に「Tangelo」のようなバラード曲では深いリバーブがクリーントーンにかけられ、エモーショナルな空間を作り出しています。ジョンは必要な時だけ効果を感じさせるようにリバーブを使う傾向があり、常にかけっぱなしにはしません。ここぞというフレーズで長いリバーブをかけ、一瞬でオーディエンスを別世界に連れていく演出をしています。

MXR M300は現在市販されており、プロレベルの音質ながら直感的な操作性で人気のペダルです。ジョンの採用でさらに注目度が上がり、ファンの間では**「ジョンがついにリバーブペダルを本格導入!」**と話題になりました。アンプのリバーブでは表現しきれない多彩な空間系効果を得られるのが導入理由でしょう。今後ジョンがどのようにリバーブを活用していくかも興味深いポイントです。

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そのほか

上記で紹介した他にも、ジョンの足元にはいくつか注目のエフェクターがあります。MXR Phase 90MXR Flanger (M117R)といったクラシックなモジュレーションペダルも組み込まれており、楽曲の一部でさりげなく使用されています。Phase 90はソロの後ろでかすかに位相をかけて揺らぎを加える用途で、「By the Way」終盤のソロなどで活躍しました。Flangerは「Universally Speaking」のようにクリーントーンに浮遊感を与える際に使われています。ジョンはこれらを必要最低限しか使いませんが、音に変化を付けるスパイスとして忍ばせています。

また、MXR Dyna Compというコンプレッサーも最近ボードに追加されました。Dyna Compは古典的な圧縮ペダルで、音量の粒を揃えてクリーンアルペジオを際立たせたり、サステインを伸ばすのに使います。ジョンは往年はコンプレッサーを嫌う発言もしていましたが、近年のクリーンサウンドの安定のために導入した可能性があります。例えばカッティングで音の大小を揃えつつ、耳に心地いいアタック感を出すために薄くかけているのかもしれません。

最後に特殊な機材として、Moog CP-251というコントロールプロセッサも組み込まれています。これは一般的な音響エフェクトではなく、前述のMoogフィルター(MF-101)にLFO(低周波発振)の波形を送ったりシグナルを分岐させたりするためのユーティリティ機器です。ギタリストでここまで導入するのは稀ですが、ジョンは電子音楽にも精通しているため、こうしたモジュラーシンセ的なアプローチも取り入れています。具体的には、CP-251のLFOでMF-101のフィルターを周期的にうねらせ、自動ワウのような効果を作ったりしています。非常にマニアックですが、ジョンのサウンドデザインへの探究心がうかがえるポイントです。

以上、ジョン・フルシアンテの主要エフェクターを網羅して紹介しました。ここまで多彩なエフェクトを駆使しつつも、彼は**「音がエフェクトに頼りすぎないこと」**を常に意識しています。原音の良さ(=ビンテージストラト+マーシャルの音)があってこそのエフェクト活用というバランス感覚が、ジョンの音作り哲学にあります。

John Frusciante/ジョン・フルシアンテ|愛用機材【その他】

弦:D’Addario

ジョンは長年D’Addario(ダダリオ)社のニッケル弦を愛用しています。太さはエレキ標準的なレギュラーライト(.010-.046)が基本ですが、高音弦のみ切れにくさを考慮して.011を張ることもあったようです。近年では純ニッケル製の弦(PyramidやD’Addario NYXLなど、まろやかな音色のもの)を使用しているとの情報もあります。ヴィンテージ志向のジョンらしく、ブライトすぎず経年したような柔らかなトーンになる弦を選んでいるのでしょう。どちらにせよ頻繁に交換するというより、ある程度弾き込んでこなれた状態の弦を好んで使う傾向があります。

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ピック:Jim Dunlop 0.60mm

Version 1.0.0

ジョンの使用ピックは、意外にもJim Dunlop製のトーテックス0.60mm(オレンジ色)です。厚さ0.60mmは一般的には薄めで、リードよりはカッティング向きとされるゲージです。ジョンはこのやや薄いピックで激しいソロも弾きますが、薄手のピックがしなることでアタックが強くなりすぎず、角の取れたアタック音になるメリットがあります。結果として彼のギターは荒々しさの中にもどこか優しいニュアンスが生まれています。カッティングではこの薄さが奏功し、ファンキーなストロークでも「ベチャッ」と潰れずに絶妙にシャープな高音が出ます。ライブ映像でもジョンがオレンジ色のピックを咥えたり投げたりするシーンが度々映っており、ファンにはお馴染みです。トーテックスの0.60mmは市販品として容易に手に入るので、彼のピッキングフィールを試したいならまずピックから真似してみるのも良いでしょう。

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