【Quad Cortex vs Quad Cortex mini】フルサイズか、コンパクトか?Neural DSPフラッグシップの選び方

まずはここだけ
「Quad Cortexの音とエコシステムは欲しい。あとはフルサイズのままにするか、miniに寄せるか」——いま増えている分岐がここです。どちらも同じCorOSプラットフォーム、同じ7インチ・タッチ、Neural Capture/Cortex Cloudを共有しますが、フットスイッチの数とレイアウト、入出力の取り回し、筐体サイズ、国内価格帯が違います。
ライブでの足元操作・ボード/デスクへの収まり・システム拡張の3点で選び方を揃えます。
発売と価格のいま
Quad Cortex miniは2026年1月のNAMMで発表され、Neural DSP日本公式では税込219,000円で取り扱い。フラッグシップ同等の処理・画面・Capture資産を、約半分近いフットプリントに収めた位置づけです。
Quad Cortex本体は日本公式で税込279,000円前後。11フットスイッチと独立したI/Oを備えるフロア司令塔として定着しており、Preset/Scene/Stomp/Hybridの運用実績も厚い年代です。価格差は約6万円帯で、音源ライブラリの差ではなく操作面と接続面の差として読むのが近道です。
この記事で見る軸
比較軸は次の5つ。数字より「いまのボトルネックがどこか」で読んでください。
- 処理/ライブラリ/画面 — Virtual Devices・Capture・IR・プリセット容量・7インチ画面は公式比較で同等。
- フットスイッチとライブ操作 — フルは11スイッチ+モーメンタリー可。miniは4スイッチ+PagesでScene/Stompを拡張。
- 入出力とシステム拡張 — フルは独立Return/Send・EXP×2。miniは共有TRSループ・EXP×1(2本目はMIDI)。
- サイズ/設置 — フル 29×19.5 cm級 vs mini 22.8×11.8 cm/1.5 kg。ボード隙間か中核か。
- 価格 — 国内公式目安:フル約27.9万円/mini約21.9万円。
スペック/機能の対比表
Neural DSP公式の比較表および日本公式ストア情報に基づく対比です。価格は変動するため帯として捉えてください。
| 項目 | Quad Cortex | Quad Cortex mini |
|---|---|---|
| 位置づけ | フラッグシップ・フロア型オールインワン | 同プラットフォームのコンパクト版 |
| 国内価格(税込目安) | 約279,000円(日本公式) | 約219,000円(日本公式) |
| 処理/ライブラリ | Virtual Devices 200+/Captures 2000+/IR 1000+ 等 | 同左(公式比較で同等) |
| ユーザー容量 | Presets 3072/Captures 2048/IR 2048 | 同左 |
| ディスプレイ | 7インチ・カラータッチ | 7インチ・カラータッチ |
| Neural Capture | V1/V2、Cortex Cloud | V1/V2、Cortex Cloud |
| フットスイッチ | ステンレス×11+ロータリー | ステンレス×4+ロータリー |
| モーメンタリー割当 | 対応 | 非対応(公式) |
| SCENE/STOMP | Presetあたり最大8 | Pagesで最大8へアクセス可 |
| EXP | 1/4" TRS ×2 | 1/4" TRS ×1(2本目はMIDI) |
| FXループ | Send/Return 独立(各1/4") | Send/Return 共有TRS(両ループはインサートケーブル) |
| 主な出力 | XLR×2、1/4" TRS×2、Capture、PHONES 1/4" | XLR×2、1/4" TS×2、Capture、PHONES 1/8" |
| USBオーディオ | USB-A、8in/8out(24bit/48kHz) | USB-C、8in/8out(24bit/48kHz) |
| MIDI | DIN In/Out+USB | 1/8" TRS Type-A In/Out+USB |
| 電源 | 12V DC 3A(センターマイナス) | 12V DC 1.2A・ロック端子(付属) |
| 外形/重量 | 29×19.5×6.9 cm/約1.95 kg | 22.8×11.8×6.5 cm/約1.5 kg |
| 向く用途 | 足元操作の多いライブ、独立I/Oの司令塔 | ペダルボード/デスク/コンパクト・ツアー |
出典:Neural DSP公式(Quad Cortex / Quad Cortex mini 比較表)、Neural DSP日本公式ストア。ファーム更新で操作まわりの体感が変わることがあります。
Quad Cortex · 背面I/O
Quad Cortex mini · 背面I/Oデモ動画で雰囲気を掴む
公式デモと、再生数・評価の多いレビューに絞っています。音色の良し悪しではなく、画面操作・サイズ感・ライブでの見え方を掴む入口としてご覧ください。
いま何が話題で分かれるか
コミュニティやレビューで分かれやすい論点です。音質の好き嫌いより、運用差に注目します。
hot = いま議論が厚い · warn = 期待値のズレに注意 · neu = 落ち着いて比較しやすい
miniは国内流通・レビューが増えるフェーズです。購入直前は最新CorOSと国内取扱情報も併読してください。
軸ごとの整理
処理・ライブラリ・画面は共通土台
公式比較では、Virtual Devices・Neural Captures・IR・ユーザープリセット/Capture/IR容量、プラグイン互換、Cortex Cloud/Control、Neural Capture V1/V2まで、Quad Cortexとminiで同等とされています。7インチ・タッチも共通です。
つまり「音源の品揃えや画面解像度で上位/下位」ではなく、同じCorOS体験をどの筐体に載せるかの選択になります。Presetやバックアップもエコシステム内で行き来しやすい設計です。
フットスイッチとライブ操作
Quad Cortexは11のステンレス・フットスイッチ+ロータリーを備え、Preset/Scene/Stomp/Hybridを足元に厚く展開できます。モーメンタリー割当にも対応します。
miniは4スイッチ+ロータリーに絞り、Scene/StompはFootswitch Pagesで最大8までアクセスする設計です。Hybridも使えますが、スイッチ配列が違うためフルと同じ並びにはなりません。セットリストが「同時に並べたい割当が多い」ならフル、「ページをまたいでもよいから筐体を小さく」ならmini、が分岐点になります。
入出力とシステム拡張
フルサイズはInputがCombo×2+独立Return、Sendも独立、EXPがTRS×2、ヘッドフォンが1/4"、MIDIがDIN、USBがType-Aと、既存ラックやワーホイとの噛み合わせを優先した取り回しです。
miniはInput 1が1/4" TS、Input 2がCombo、FXループは共有TRS、EXPは1本(2本目はMIDI)、ヘッドフォンは1/8"、MIDIは1/8" TRS、USB-Cです。電源は1.2Aのロック端子付き。ペダルボード電源やノートPC中心のデスクではmini側が素直なことが多く、独立した二重EXPやDIN MIDI前提の既存システムではフルが楽、という差が出やすいです。
サイズと設置
フルは約29×19.5×6.9 cm/1.95 kg。ボードの中核を占める前提です。
miniは約22.8×11.8×6.5 cm/1.5 kgで、公式もペダルボード・コンパクト・ラック/デスク向けを前面に出しています。既存ボードに他ペダルを残したい、飛行機移動を減らしたい、机上のメイン機にしたい、といった条件ではminiの利点がはっきりします。
価格と買い替えの判断
日本公式の目安はフル約279,000円、mini約219,000円。差はおよそ6万円帯で、ライブラリ差ではなく操作面・I/O・サイズへの対価として読むのが実務的です。
すでにフルでライブが回り、不満が「大きい/重い/ボードに収まらない」に限られるならminiへの寄せが効きやすい。逆に、同時に多くの足元割当や独立ループ/二重EXPがセットの前提なら、フルのままが合理的です。
各機の位置づけ

Quad Cortex
Neural DSPのフラッグシップ。7インチ・タッチ、11フットスイッチ、独立I/O、モーメンタリー対応と、ライブでの司令塔運用に振り切った筐体です。国内公式は税込約279,000円帯。
同じCorOSを小さく持ち歩きたい、ボード面積を空けたい、という次の段がminiです。

Quad Cortex mini
同じ処理・画面・Captureエコシステムを、4スイッチとコンパクト筐体に落とした2026年の新機軸。国内公式は税込約219,000円。USB-Cやロック電源など、現代のボード/デスク前提の端子まわりも特徴です。
Pages運用や共有TRSループ、EXP2本目のMIDI化を許容できるかが、選定のチェックポイントになります。
向き不向き
どちらが上かではなく、役割の差として向き不向きを整理します。
Quad Cortexが向く人
- 同時に多くのScene/Stompを足元に並べたい
- モーメンタリーやEXP×2をそのまま使いたい
- 独立したFXループ/DIN MIDI前提のシステムを組む
- フロアの司令塔として中核面積を確保できる
Quad Cortex miniが向く人
- フルと同じCorOS体験を小さく持ち込みたい
- ペダルボードやデスク、コンパクト・ツアーが前提
- Pages運用でフットスイッチ数を抑えられる
- 予算を抑えつつフラッグシップ資産に入りたい
フルでは過剰になりやすい人
- ボード面積・重量がボトルネック
- 机上やバッグ移動が主戦場
- スイッチ11本分の割当を使い切らない
miniでは物足りなくなりやすい人
- モーメンタリー必須のプレイスタイル
- EXPを2本ともTRS直結したい
- 共有TRSループやPages跨ぎが運用に合わない
まとめ・次の一手
まとめると、Quad Cortexは「CorOSを足元操作と独立I/Oで最大展開する装置」、Quad Cortex miniは「同じCorOSをコンパクトに持ち歩く装置」です。ライブラリや画面の上下関係ではなく、スイッチ数・I/O・サイズ・価格のレイヤーで選ぶのが近道です。
迷ったら、今のボトルネックが「ライブの足元割当と配線の余裕」なのか「設置面積と携行」なのかだけ先に言葉にしてみてください。前者ならフル、後者ならmini。すでにフルを使っているなら、不足ではなく“大きすぎる/重すぎる/ボードに入らない”が主因かを確認するのが最短です。

