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【GUNS N’ ROSES】Slash/スラッシュの使用機材【アンプ・ギター・エフェクター】

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国内外で活躍するギタリストの愛用機材をまとめて取り上げる「プレイヤーズ・リグ」

シルクハットにティアドロップのサングラス、そして低い位置に構えたレスポール。ロック・ギターのアイコンとして、世代を超えて世界中のギタリストからリスペクトを集め続ける

Slash

太く、甘く、そして危険な香りを漂わせるドライブトーンは、まさに「ロックギターの黄金比」とも呼ぶべき圧倒的な説得力を持っています。ブルースを根底に持ちながらも、それをアグレッシブなハードロックへと昇華させた独自のプレイスタイルは、幾多のファンを虜にします。

本記事では、スラッシュの波乱に満ちたキャリアを振り返りつつ、彼が長年愛用し、そのトーンの核となっているギター、アンプ、エフェクターなどの機材を徹底解剖!

目次

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【GUNS N’ ROSES】Slash|Profil

Slash(スラッシュ)
本名: Saul Hudson(ソール・ハドソン)
生年月日:1965年7月23日
出身:イギリス ロンドン・ハムステッド

Biography:音楽とギターに魅入られた数奇な経歴

音楽業界に囲まれた幼少期とギターとの出会い

イギリスのロンドンに生まれたソール・ハドソン(後のスラッシュ)は、非常に恵まれた、そして特殊な音楽環境で育ちました。母親はデヴィッド・ボウイなどの衣装を手掛けるファッションデザイナー、父親はニール・ヤングやジョニ・ミッチェルなどのアルバムジャケットを制作するアートディレクターでした。両親の仕事柄、幼い頃から一流のミュージシャンやアーティストが出入りする環境にあり、自然とロックミュージックの洗礼を受けて育ちます。

その後、両親の離婚を機にロサンゼルスへ移住。BMX(自転車競技)に熱中する少年時代を過ごしていましたが、15歳の頃にスティーヴン・アドラー(後のガンズ・アンド・ローゼズの初代ドラマー)と出会ったことで運命が変わります。彼とバンドを組むためにギターを手にし、1日12時間以上という猛烈なペースで練習に没頭。エアロスミスの「Rocks」に多大な衝撃を受け、ジミー・ペイジやジェフ・ベック、ジミ・ヘンドリックスといったレジェンドたちのブルースベースのロックギターを吸収し、自身のプレイスタイルの土台を築き上げていきました。

ガンズ・アンド・ローゼズの結成と世界的成功

90年代に入り、『Use Your Illusion I & II』のリリースや大規模なワールドツアーを成功させたガンズ・アンド・ローゼズでしたが、バンド内部の軋轢は徐々に深刻化していきました。音楽性の違いやメンバー間の溝が深まり、スラッシュは1996年にバンドを脱退することになります。

しかし彼の創作意欲が衰えることはなく、自身のプロジェクト「スラッシュズ・スネイクピット」を結成し、よりブルージーでストレートなハードロックを追求。その後、2004年には元ガンズのダフ・マッケイガン、マット・ソーラム、そしてストーン・テンプル・パイロッツのスコット・ウェイランドと共に「ヴェルヴェット・リヴォルヴァー」を結成します。デビューアルバム『Contraband』は全米初登場1位を獲得し、グラミー賞も受賞。現代のロックシーンにおいて、スラッシュのギターリフとソロがいかに普遍的で強力な魅力を持っているかを再び証明しました。

ソロ・アーティストとしての確立とガンズへの奇跡の帰還

ヴェルヴェット・リヴォルヴァーの活動停止後、2010年に初のソロアルバム『Slash』を発表。イギー・ポップやオジー・オズボーン、クリス・コーネルなど豪華ゲストボーカルを迎えたこの作品は大ヒットを記録します。このツアーから、アルター・ブリッジのマイルス・ケネディをボーカルに迎えた「Slash featuring Myles Kennedy and The Conspirators」としての活動を本格化させ、コンスタントに高品質なロックアルバムをリリースし続けています。

そして2016年、長年不可能と言われていたアクセル・ローズとの和解が実現し、ガンズ・アンド・ローゼズへの奇跡の復帰を果たします。「Not in This Lifetime… Tour」と銘打たれたワールドツアーは音楽史に残る興行収入を叩き出し、世界中のファンを熱狂させました。現在もソロワークとガンズ・アンド・ローゼズの両輪で、ロックシーンの最前線を走り続けています。

【GUNS N’ ROSES】Slash|Play&Music

Guns N’ Roses – Welcome To The Jungle (Live at The Ritz 1988 HD)

デビュー盤が世界的ヒットを記録する直前、ガンズが最も危険なエネルギーを放っていた伝説のRitz公演(1988年)。MTVで放送され、彼らをスターダムへ押し上げた歴史的なライブにおける代表曲です。

後のスタジアムバンドになる前の「制御不能なストリートの野獣」としてのパフォーマンスが圧巻。不穏なディレイリフから一気に爆発する瞬間、レスポールを極限まで低く構えて客席を睨みつける若きスラッシュのヒリヒリとするような存在感は、ロック史に残る奇跡の瞬間です。

Guns N’ Roses – The Godfather Theme (Live 1992 Tokyo)

歴史的大規模ツアー『Use Your Illusion Tour』の絶頂期である1992年の東京ドーム公演。映画『ゴッドファーザー』のテーマをギターソロで独奏する、ライブ中盤のハイライトです。

スラッシュが単なるロック・ギタリストから「世界的なギターヒーロー」へと神格化された瞬間。

大観衆の静寂の中、タバコを咥えながらレスポールで哀愁のメロディを泣かせ、そのまま名曲「Sweet Child O’ Mine」へと雪崩れ込む展開はまさにスタジアム・ロックの完成形。圧倒的なカリスマ性に震えます。

Slash ft.Myles Kennedy & The Conspirators – Anastasia (Live in Sydney)

マイルス・ケネディを迎え、現在進行形のバンドとして盤石の体制を築いたシドニー公演。クラシカルなアルペジオから重厚なロックへと展開するソロキャリア屈指の名曲「Anastasia」です。

過去の栄光に頼らず「今が最もテクニカルでカッコいい」というスラッシュの進化。

生粋のファンが胸を張って世界に誇れる、現代最高峰のハードロック・ショーがここにあります。

【GUNS N’ ROSES】Slash|愛用機材【ギター】

Gibson / 1959 Les Paul Replica (Kris Derrig)

機材解説

「世界で最も有名なレスポール」の正体は、精巧なレプリカだった

ガンズ・アンド・ローゼズのデビューアルバム『Appetite for Destruction』は、当時低迷していたギブソン・レスポールの人気を単独で復活させた歴史的な名盤として語り継がれています。しかし、そのレコーディングでスラッシュが弾いていたメインギターが、実はギブソン製ではなく、故クリス・デリグという天才的なルシアーによって製作された「1959年製レスポールの完全なレプリカ」であったことは、ギター史における最も皮肉で美しい伝説の一つです。

レコーディング当初、BC RichやJacksonなど様々なギターを試すものの、自身の頭の中にある理想のロックトーンが出せずに苛立っていたスラッシュ。見かねた当時のマネージャー、アラン・ニーヴンが彼に手渡したのが、このトラ目が美しく浮かび上がるレプリカでした。スラッシュがこのギターをマーシャル・アンプに繋ぎ、一音を鳴らした瞬間、あの太く、甘く、そして獣のように唸る「至高のドライブトーン」が完成しました。

搭載されていたセイモア・ダンカンのAlnico II Proピックアップと、極上のマホガニー材が奇跡的なマッチングを見せ、彼のピッキングのニュアンスを余すことなく拾い上げます。「Welcome to the Jungle」のイントロから「Sweet Child o’ Mine」のむせび泣くようなソロまで、ロック史に残る名演のすべてがこの一本から生まれました。現在でも彼が最も信頼を置く「スタジオ・レコーディングにおける絶対的なメインギター」として、厳重に保管・使用されています。

Gibson / Les Paul Standard “Jessica”

機材解説無数の傷が刻まれた、絶対的エース「ジェシカ」
レコーディングの主役がクリス・デリグのレプリカであるならば、ライブ・ステージにおける絶対的な主役はこの「ジェシカ」の愛称で呼ばれる1987年製のGibson Les Paul Standardです。ガンズ・アンド・ローゼズがブレイクを果たした直後、ギブソンからスラッシュへと提供された2本のうちの1本であり、実はヘッド裏に「SEC(ファクトリー・セカンド=B級品)」の刻印があるという、なんともロックンロールな出自を持っています。
元々は非常に明るいチェリーサンバーストでしたが、スラッシュの好みに合わせて落ち着いた色合いにリフィニッシュされました。長年にわたる過酷なワールドツアーにより、ネックは幾度かの折れと修復を経験し、ボディの塗装は剥げ落ち、タバコの焼け焦げ跡が痛々しく残っています。しかし、その傷一つひとつがこのギターの圧倒的な「鳴り」を育て上げました。
もちろんピックアップはAlnico II Proへと交換されており、クリス・デリグの個体よりもわずかにエッジが効いた、大音量のアンサンブルを切り裂くようなトーンが特徴です。スラッシュの汗と血を吸い込み、彼の手癖を完全に記憶したジェシカは、世界で最も過酷なステージを生き抜いてきた「真のワークホース(実戦用機材)」と呼ぶにふさわしい凄みを放っています。
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Gibson / EDS-1275 Double Neck

機材解説名曲のドラマを演出する、漆黒の双頭
「Knockin’ on Heaven’s Door」や「Patience」など、ガンズ・アンド・ローゼズのセットリストにおいて、壮大でドラマチックな展開を持つ楽曲のパフォーマンスに欠かせないのが、このEDS-1275ダブルネック・ギターです。ジミー・ペイジの使用で神格化されたモデルですが、スラッシュは自身のダークで危険なイメージに合わせた漆黒のモデルを愛用しています。
上段の12弦ネックでは、コーラスをかけたような広がりのあるアルペジオや、煌びやかなコードストロークを奏で、楽曲のテンションが最高潮に達するギターソロの瞬間に、シームレスに下段の6弦ネックへと持ち替えて強烈なディストーション・サウンドを叩きつけます。
このギターは重量が非常に重く、扱うには相当な体力を要しますが、スラッシュはこれを極端に低い位置に構え、時にはステージを駆け回りながら弾きこなします。ダブルネックの巨大なボディが生み出す重厚なマホガニーの鳴りは、通常のレスポールとは異なる独特のサスティンと太さを生み出しており、視覚的なインパクトだけでなく、音響的にも彼のライブショーに不可欠なピースとなっています。

B.C. Rich / Mockingbird

機材解説

レスポール神話を打破する、鋭利なもう一つの牙

「スラッシュ=レスポール」という強烈なパブリックイメージの中で、極めて異彩を放ち、かつ重要な役割を担っているのがB.C. RichのMockingbird(モッキンバード)です。「You Could Be Mine」のミュージックビデオでの鮮烈な登場は、多くのギターキッズに衝撃を与えました。

スラッシュが愛用するモッキンバードは、主にフロイドローズなどのロッキング・トレモロを搭載したレッド・カラーの個体です。レスポールでは不可能な激しいアーミングやトリッキーなプレイを要求される楽曲において、このギターが選択されます。

また、スルーネック構造による豊かなサスティンに加え、ボディに内蔵された多彩なスイッチ群(バリトーン・スイッチやフェイズ・スイッチなど)のアクティブ回路を活用することで、レスポールの王道サウンドとは異なる、中域が鼻をつまんだような「ワウの半止め」に近い攻撃的なトーンを引き出せるのも大きな特徴です。ハードロックの攻撃性と、トリッキーなプレイアビリティを両立させた、彼にとってもう一つの重要な相棒です。

Gibson / Les Paul Goldtop “Victoria”

機材解説

ブルースの魂を宿した、黄金のヴィンテージ

「Sweet Child o’ Mine」のミュージックビデオで世界中の目に焼き付けられた、あの美しいゴールドトップのレスポール。それが「ヴィクトリア」です。ガンズ・アンド・ローゼズの初期から活躍していた1950年代後半製のヴィンテージ個体であり、近年になってギブソンからスラッシュのシグネチャー・モデルとして「Victoria」の名を冠したゴールドトップが発売されたことで、再び大きな脚光を浴びています。

サンバーストのレスポール(メイプルトップ)とは異なり、当時のゴールドトップ特有の(あるいはダークバック仕様の)マホガニーの鳴り方は、よりミッドレンジに独特の粘りとコンプレッション感を持っています。スラッシュはこのギターを、よりブルージーでいなたいフレーズを弾く際に好んで使用しました。

実はこのオリジナル機は90年代後半に盗難に遭ってしまい、長い間行方不明となっていましたが、後に奇跡的に彼のもとへ戻ってきたというエピソードも、このギターの神秘性を高めています。サンバーストとは異なる、わずかに硬質で枯れた「黄金のトーン」は、スラッシュのプレイスタイルの奥底にあるブルースのルーツを色濃く反映しています。

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Guild / Crossroads Double Neck

機材解説

ステージの制約を打ち破る、究極のハイブリッド・ギア

ライブステージにおいて、アコースティック・ギターの繊細な響きと、エレクトリック・ギターの轟音を行き来したい。そんなスラッシュの切実な要求に完璧に応えるべく、Guild(ギルド)との共同開発によって誕生したのが、この「Crossroads(クロスローズ)」ダブルネックです。

上部にはアコースティック・ギター(12弦または6弦のピエゾ・ピックアップ仕様)、下部にはエレクトリック・ギター(ハムバッカー搭載)が配置された、極めて特殊な構造を持っています。ボディ本体はソリッド(空洞のない木材)ですが、上部のアコースティック部分はサウンドホールが彫り込まれ、驚くほどリアルなアコースティック・トーンを出力できるように設計されています。

「Anastasia」などの楽曲では、イントロの流麗なクラシック調のアコースティック・アルペジオから、一瞬の隙も与えずに下部のエレクトリック・ネックに切り替え、マーシャルの壁を震わせるヘヴィなリフへと突入します。持ち替えのタイムロスをゼロにし、楽曲のダイナミクスを最大限に引き出すための「現場主義」から生まれたこの特注ギターは、スラッシュの完璧なライブパフォーマンスに対する飽くなき執念の結晶と言えます。

【GUNS N’ ROSES】Slash|愛用機材【アンプ】

Marshall / 1959T Super Tremolo (SIR Stock #39)

機材解説

ロック史を揺るがした「聖杯」。失われた魔法のアンプ

スラッシュのサウンドを語る上で、いや、世界のロックギター・サウンドの歴史を語る上で、このアンプの存在を抜きにすることはできません。デビューアルバム『Appetite for Destruction』のレコーディングで使用され、後に機材マニアの間で「聖杯(Holy Grail)」として語り継がれることになる伝説のレンタル・アンプ、それがSIRの管理番号「#39」です。

ロサンゼルスのレンタル機材会社「SIR(Studio Instrument Rentals)」が所有していたこのアンプは、元々は1970年代に製造されたMarshall 1959T(100Wのトレモロ搭載モデル)でした。しかし、特筆すべきはSIRの技術者であったフランク・レヴィ(後にティム・カズウェルが行ったという説も有力)によって、トレモロ回路の真空管を増幅段に流用する「カスケード接続」という強烈なゲインアップの改造が施されていた点です。

クリス・デリグのレスポールをこの#39に繋いだ瞬間、マーシャル特有の荒々しいエッジを残しつつも、無限に続くかのようなサスティンと、中域がむせび泣くような芳醇な倍音を持つ「アペタイト・トーン」が誕生しました。スラッシュはこのサウンドに完全に惚れ込み、レコーディング終了後も「盗まれた」と嘘をついてまで返却を拒みましたが、数ヶ月後のリハーサル中にSIRのスタッフに見つかり、最終的に回収されてしまうという劇的な結末を迎えます。この「失われたアンプ」のトーンを追い求める旅が、その後のスラッシュのアンプ遍歴の原動力となりました。

Marshall / Silver Jubilee 2555

機材解説

王の帰還を支えた、銀色の壁

SIR #39を取り上げられ、迫り来るガンズ・アンド・ローゼズの巨大なワールドツアーに向けて、早急にメインアンプを見つける必要に迫られたスラッシュ。彼が数あるアンプの中から選び抜いたのが、1987年にジム・マーシャルの音楽業界50周年とマーシャル社設立25周年を記念して発売された「Silver Jubilee(シルバー・ジュビリー)2555」の100Wモデルでした。

銀色のトーレックスに身を包んだこのアンプは、従来のプレキシ系マーシャルとは異なる独特の回路設計を持っています。プリアンプ部にダイオード・クリッピング回路を内蔵し、さらに非常に効きの良いパッシブEQを搭載しているため、従来のマーシャルよりも深く、かつダークで滑らかなディストーションを得ることができました。

このジュビリーは、ガンズの全盛期のライブツアーから、ヴェルヴェット・リヴォルヴァー時代に至るまで、長きにわたりステージ後方にそびえ立つ「銀色の壁」としてスラッシュの背中を支え続けました。分厚い低域と密度のあるミッドレンジは、彼のレスポール・サウンドをスタジアムの最後列まで極太のまま届ける役割を完遂し、彼にとって最も信頼のおける「生涯の相棒」の一つとなっています。

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Marshall / AFD100 Slash Signature

機材解説

ついに蘇った「アペタイト・トーン」の完全再現

「あのSIR #39のサウンドを、現代の技術で蘇らせることはできないか」。世界中のギタリストの悲願であり、スラッシュ自身の夢でもあったこのプロジェクトが、マーシャルとの緊密な共同開発を経て2010年に結実しました。それが全世界限定2300台で発売された「AFD100 Slash Signature」です。

外観はシルバー・パネルでヴィンテージの風格を漂わせつつ、内部には画期的な機能が搭載されています。フロントパネルのスイッチ一つで、伝説の「#39(AFDモード)」の太く甘いリードトーンと、後述するもう一つの愛機「#34モード」のザクザクとしたアグレッシブなクランチトーンを瞬時に切り替えることができます。

さらに特筆すべきは、背面に搭載されたEPA(Electronic Power Attenuation)機能です。これにより、パワーアンプの出力を100Wから0.1Wまで無段階で落とすことが可能になりました。つまり、スタジアムを揺るがす大音量でパワー管をフルドライブさせた際の極上の飽和感を、自宅のベッドルームでの小音量でも全く音質を変えずに再現できるのです。スラッシュ本人の厳しい耳による数十回に及ぶプロトタイプのテストを経て完成した、まさに究極の「スラッシュ・トーン・ジェネレーター」です。

Marshall / JCM800 2203 (Modded “Stock #34”)

機材解説

リフの切れ味を研ぎ澄ます、もう一つの秘密兵器

#39と並び、スラッシュのサウンドシステムの核を成すもう一つの超重要アンプが、通称「#34」と呼ばれるモディファイされたJCM800 2203です。『Use Your Illusion』のレコーディングに向けて、SIRで再び理想のアンプを探していた彼が出会ったのがこの個体でした。

この#34は、元々6550パワー管(アメリカ向けの仕様)が搭載されており、さらにフランク・レヴィによって特定の帯域(主に高域から中高域)をプッシュし、ローエンドをタイトに引き締める改造が施されていました(後にスラッシュの要望でEL34管に変更)。#39が甘く太いリードトーンの頂点であるならば、この#34は極めてエッジが鋭く、解像度の高い「アグレッシブなクランチ〜オーバードライブ」に特化しています。

スラッシュはこの#34を主にリズムギターのレコーディングで使用し、あのザクザクとしたキレのあるリフを刻みました。ライブにおいてもジュビリーと組み合わせて使用されることが多く、彼のドライブサウンドに「鋭い牙」を付加する重要な役割を担っています。前述のAFD100にわざわざこの「#34モード」が搭載されたことからも、彼がこのトーンをいかに重要視しているかが分かります。

Marshall / JCM 2555SL Slash Signature

機材解説

マーシャル史上初。偉大なる「シグネチャー」の先駆者

1996年、アンプ業界に一つの金字塔が打ち立てられました。半世紀近い歴史を持つマーシャル社が、創業以来「初」となるアーティスト・シグネチャー・モデルを発表したのです。その栄誉ある第一号に選ばれたのが、他でもないスラッシュでした。それが「JCM 2555SL Slash Signature」です。

このアンプのベースとなったのは、彼が長年愛用し、当時すでに生産完了となって久しかった名機「Silver Jubilee 2555」です。基本回路はオリジナルのジュビリーを忠実に踏襲しつつも、スラッシュの過酷なワールドツアーに耐えうるよう、より堅牢なパーツが厳選して採用されています。

外観はジュビリーの銀色から伝統的なブラック・トーレックスへと変更され、フロントパネルにはスラッシュのシグネチャー・ロゴと、彼を象徴するスネークのモチーフが誇らしげに刻まれました。ヴェルヴェット・リヴォルヴァー時代のダークでモダンなハードロック・トーンの中核を担い、単なる復刻版ではなく「スラッシュの意志が宿った実戦機」として、現在でも多くのマニアが探し求める名機中の名機として君臨しています。

【GUNS N’ ROSES】Slash|愛用機材【エフェクター】

Jim Dunlop / SW95 Slash Signature Cry Baby

機材解説

スラッシュの感情豊かなリードプレイに欠かせないのがワウペダルです。彼はJim Dunlopから自身のシグネチャー・モデルであるSW95をリリースし、愛用しています。

このモデルの最大の特徴は、側面にコントロールノブを備えたディストーション回路(ファズに近いニュアンス)を内蔵している点です。右側のキック・スイッチを踏むことでワウと同時に強烈なゲインブーストをかけることが可能で、強烈なフィードバックやアグレッシブなトーンを瞬時に呼び出すことができます。また、ワウの可変帯域も彼のリクエストに合わせて低域寄りにチューニングされており、耳に痛い高音を出さずに、ボーカルのように「歌う」ワウサウンドを実現しています。

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MXR / M108 10-Band Graphic EQ

機材解説

マーシャルアンプのセンド・リターン(エフェクトループ)に接続して使用されることが多いグラフィック・イコライザーです。スラッシュは主に、ギターソロの際に音量を持ち上げるブースターとして、また特定の中音域をプッシュしてトーンを際立たせるために使用しています。

彼のアンプセッティングは元々ミドルが強めですが、このEQを使ってさらに美味しい帯域(おおよそ800Hz〜1kHz周辺)を僅かにブーストすることで、分厚いバンドアンサンブルの中でも決して埋もれることのない、突き抜けるようなリードトーンを獲得しています。

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MXR / SF01 Slash Octave Fuzz

機材解説

MXRとスラッシュが共同開発した、強烈な個性を持つシグネチャー・ファズペダルです。単なるファズではなく、1オクターブ下の音(サブ・オクターブ)と、オクターブ上のファズ音を追加できる多彩なコントロールを備えています。
主にソロ活動でのヘヴィなリフや、トリッキーなソロ・フレーズで飛び道具的に使用されます。マーシャルの王道ドライブトーンをベースにしながらも、このペダルを踏むことで一気に凶悪でブチブチとしたシンセサイザーのような重低音を作り出すことができ、彼のサウンド・パレットに現代的なアプローチと新たな表現力を加えています。

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MXR / M234 Analog Chorus

機材解説

「Paradise City」の幻想的なイントロなど、クリーン・トーンのアルペジオで欠かせないのがコーラス・エフェクトです。スラッシュは長年、ラック機材や様々なペダルを試してきましたが、近年ボードに定着しているのがMXRのアナログ・コーラスです。
デジタル特有の冷たい揺れではなく、BBD素子による温かく太いモジュレーションが、彼のレスポールのフロント・ピックアップと見事にマッチします。高域(HIGH)と低域(LOW)のカット・コントロールを備えているため、アンサンブルの中で音が濁らない、美しく澄んだアルペジオ・サウンドを生み出しています。

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BOSS / DD-3 Digital Delay

機材解説

デジタル・ディレイの超定番モデルであるDD-3も、スラッシュのエフェクトボードに組み込まれていることが多いペダルです。

彼はディレイをトリッキーな特殊効果として使うのではなく、ギターソロの音に広がりと奥行きを与えるための、ごく自然な残響として薄くかける使い方がメインです。付点8分などのリズミカルなディレイではなく、ショート〜ミドル程度のディレイタイムに設定し、フィードバックも少なめにすることで、マーシャルのダイレクトなドライブトーンを邪魔することなく、リッチなサスティンを演出しています。

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Dunlop / Heil Talk Box (HT1)

機材解説

ギターの音をビニールチューブを通して口内に導き、口の形を変えることで「ギターが喋っている」ような効果を生み出すエフェクターです。ガンズ・アンド・ローゼズの「Anything Goes」や、ライブでの「Rocket Queen」のソロ、さらにはヴェルヴェット・リヴォルヴァーの楽曲など、要所で強烈なインパクトを放つ飛び道具として長年愛用されています。
ワウペダルと同様に「ギターを歌わせる」アプローチの一つですが、トークボックス特有の生々しいボーカル的なニュアンスは、スラッシュのブルージーなフレージングと信じられないほど高い親和性を持っています。ステージ上でチューブを咥えてソロを弾く姿は、彼のライブにおける隠れた名シーンと言えます。

MXR / M135 Smart Gate

機材解説

表立って目立つエフェクトではありませんが、スラッシュのライブサウンドを陰で支える最も重要な「縁の下の力持ち」がこのノイズゲートです。
彼のサウンドシステムは、大音量のマーシャル・アンプと、ハウリングを起こしやすいヴィンテージ出力のピックアップ(Alnico II Pro)、さらにはワウやEQによるブーストが組み合わされているため、そのままでは強烈なノイズが発生してしまいます。このSmart Gateは、演奏時のピッキングニュアンスや長く伸びるサスティンを不自然にカットすることなく、弦から手を離した瞬間の不要なヒスノイズやフィードバックだけを的確にシャットアウトしてくれます。あの分厚いドライブトーンと、ブレイク時の完全な静寂のコントラストは、このペダルによって生み出されています。

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MXR / EVH90 Phase 90

機材解説

エディ・ヴァン・ヘイレンのシグネチャーモデルとして有名なフェイズシフターですが、スラッシュのエフェクトボードにも頻繁に組み込まれています。
彼はこのペダルを過激なモジュレーションとしてではなく、ツマミを絞り気味(スピードを遅め)に設定し、ギターソロや特定のアルペジオの背後に「ゆっくりとしたうねり」を加えるために使用しています。レスポールとマーシャルの王道サウンドに、わずかなサイケデリックな揺らぎや立体感を付加するスパイスとして機能しており、単調になりがちなストレートなロックトーンに奥深い表情を与えています。

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【GUNS N’ ROSES】Slash|愛用機材【その他】

Seymour Duncan / Alnico II Pro (APH-1 / APH-2)

機材解説

スラッシュのトーンを決定づける最重要パーツの一つが、セイモア・ダンカンのピックアップ「Alnico II Pro」です。デビュー前から現在に至るまで、彼が所有するほぼすべてのメイン・レスポールに搭載されています。

アルニコ2マグネットを使用しているため、一般的なハイゲイン・ピックアップのような出力の高さや尖った高域はありません。しかし、その分ミッドレンジが非常に甘く、ピッキングのニュアンスを余すことなく拾い上げる豊かな表現力を持っています。のちに、彼の所有する「クリス・デリグ・レプリカ」の個体差(少しコイルが多く巻かれている)を再現したシグネチャーモデル「APH-2 Slash」も発売され、より本人のトーンに近づきたいギタリストのマストアイテムとなっています。

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Ernie Ball / RPS 11 Slinky (11-48)

機材解説

スラッシュは、レギュラーチューニングや半音下げチューニングにおいて、少し太めのゲージであるErnie Ballの「11-48」セットを愛用しています。

特筆すべきは、ボールエンド部分にワイヤーが巻かれて補強されている「RPS(Reinforced Plain Strings)」シリーズを使用している点です。彼の力強いピッキングや、チョーキングを多用するアグレッシブなプレイスタイルでも弦が切れにくく、激しいステージアクションに耐えうる高いチューニングの安定性を確保しています。この太い弦のテンション感が、あのゴツっとした芯のあるアタック音を生み出しています。

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Jim Dunlop / Tortex Purple 1.14mm

機材解説

スラッシュが弾き出す太いトーンの源流とも言えるのが、彼が愛用するピックです。長年にわたり、Jim DunlopのTortex(トーテックス)シリーズ、ティアドロップ型の1.14mm(パープル)を使用し続けています。

厚みがあり、硬くしなりの少ないこのピックは、太いゲージの弦をしっかりと弾ききり、弦振動をロスなくギターボディに伝える役割を果たしています。また、トーテックス特有のマットな質感は、汗をかいても滑りにくく、彼の熱量あふれるライブパフォーマンスを足元から、いや指先から支える隠れた名脇役と言えます。彼自身のシグネチャー・プリントが施されたモデルも販売されています。

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