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【まとめ】Larry Carlton/ラリー・カールトンの使用機材【アンプ・ギター・エフェクター】

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国内外で活躍するギタリストの愛用機材をまとめて取り上げる「プレイヤーズ・リグ」

ジャズ/フュージョン界を代表するギタリストであり、「ミスター335」の異名を持つ

Larry Carlton

スティーリー・ダンやクルセイダーズの名演はもちろん、近年もフォープレイや松本孝弘との共演で圧倒的存在感を放ち続けています。

本記事では、50年以上にわたり第一線で輝くラリーの愛用ギターをはじめ、ダンブル系アンプ、最小限に絞り込まれたエフェクター、そして細部にまでこだわるアクセサリー類まで徹底解説。

目次

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Larry Carlton|Profil

生年月日:1948年3月2日
出身:アメリカ合衆国カリフォルニア州トーランス

Biography

1940s–1960s|幼少期とギターとの出会い

1948年3月2日、カリフォルニア州トーランスで誕生。6歳の誕生日に両親から貰ったアコースティックギターが音楽人生のスタートだった。10代になるとジャズ・スタンダードに魅了され、自宅近郊のクラブでセッション経験を積みながら早くもプロ活動を開始する。

1970s|“LAスタジオの顔”として覚醒

1968年に初リーダー作『With a Little Help From My Friends』を発表後、ロサンゼルスの一流スタジオに引っ張りだこの存在へ。ザ・クルセイダーズ加入(’72)でファンク〜フュージョン路線を確立し、同時期にはジョニ・ミッチェル、スティーリー・ダンらの作品で3000本以上もの録音をこなす。’76年の「Kid Charlemagne」ソロは“ロック史に残る即興”として語り草となった。

1978–1985|ソロ名義と〈Room 335〉スタジオ

私設スタジオ“Room 335”を建設し、セルフタイトル作『Larry Carlton』(’78)でソロ・ギタリストとして本格始動。ウォームなオーバードライブとメロウなフレーズでAOR/フュージョン黄金期を象徴する存在に。名曲「Room 335」はこの時期のシグネチャー・チューンだ。

1986–1997|銃撃事件と奇跡のカムバック

1988年、自宅前で強盗に銃撃され重傷を負うも懸命のリハビリで復帰。1990年のアルバム『On Solid Ground』や’97年の『The Gift』でグラミー賞を獲得し、復活を世界に示した。同’97年にはスムース・ジャズ界のスーパーグループ〈FOURPLAY〉に加入し、新たな代表作を量産。

2000s–Present|コラボレーションと円熟のトーン

2000年代以降はスティーヴ・ルカサー、ロベン・フォードとの連名ツアーや、2010年の松本孝弘との共作『Take Your Pick』で再びグラミーを受賞。最新ステージでは名器ES-335に加え、自身監修のSireシグネチャー・モデルを導入し“ミスター335”サウンドをアップデート。70代の現在も世界ツアーを精力的にこなし、甘く歌うフレーズで観客を魅了し続けている。

Larry Carlton|Play&Music

Larry Carlton – Kid Charlemagne – Iridium NYC, October 18, 2019

伝説のスティーリー・ダン曲で“ロック史TOP3ソロ”と称される名演を再現。69年製ES-335+Bludotoneをワイドレンジに鳴らし、冒頭のタイトな16分カッティングから2:00過ぎのアドリブ展開まで一気にピークへ。中域の粘りとボリューム奏法で音色を歌わせる姿は「ミスター335」そのもの。


Larry Carlton X Steve Lukather – Room 335

2001年7月、パリの老舗ジャズクラブ〈New Morning〉で撮影されたラリー・カールトン&スティーヴ・ルカサーの双頭ツアー映像。前年に『No Substitutions – Live in Osaka』でグラミーを獲得した直後で、勢いに乗る二人が客席200人規模の至近距離で濃密なインタープレイを展開。クリス・ケント(b)、ゲイリー・ファーガソン(ds)、リック・ジャクソン(org)の硬派リズム隊が支える中、ES-335とLukeモデルが呼応し合い、観客の歓声が“Room 335”を一層ドラマティックに高める。

「Smiles and Smiles to Go」〈Dosey Doe 2021〉

グラミー受賞アルバム『Discovery』の看板曲を近年仕様で披露。Sire H7を抱え、イントロから極薄コーラス+スラップバックディレイで奥行きを演出。1:40のオクターブ・フレーズはジョージ・ベンソン譲りの滑らかさ、終盤(4:20〜)のコードメロディは年輪を重ねた“甘い枯れ”が滲む。現行シグネチャーギター×Bludo-Driveの組み合わせを実際のライブ音で確認できる貴重映像。

Larry Carlton|愛用機材【ギター】

Gibson / ES-335

機材解説

ギブソン ES-335はラリー・カールトンの代名詞的ギターです。「ミスター335」というニックネームもこのモデルに由来しており、彼のプライベートスタジオ名や代表曲名「Room 335」にもその愛情が表れています。ラリーは1960年代末〜70年代初頭頃に、このサンバーストのES-335を自ら楽器店で選び購入しました。当時フルアコのGibson ES-175を使用していましたが、スタジオワークの増加に伴い「もっと柔軟に幅広い音楽に対応できるギターが必要だ」と感じ、より薄胴のセミアコであるES-335に持ち替えたと語っています。

ラリーのメイン機は1969年製のES-335で、購入当初から50年以上にわたり相棒として活躍しています。経年に伴いペグ(糸巻き)は信頼性の高いシャーラー製に交換され、ナットはグラファイト製、ブリッジはKTS社のチタニウム製に換装されています。フレットも何度も擦り合わせや打ち替えを経ていますが、ボディやピックアップなどそれ以外の主要部品はオリジナルのままです。弦はダダリオのXLニッケルワウンド(ライトトップ/ヘヴィボトム).010-.052を愛用し、微妙な音程の狂いを嫌ってライブでは1日2回(各ステージ前)も張り替えるほどの徹底ぶりです。かつてはテールピースを微調整機能付きの「TP-6」に交換していた時期もありましたが、現在はオリジナルのストップテールピースに戻しています。

ES-335を選んだ理由についてラリーは、「ヴァリトーン(音質切替えスイッチ)が付いた上位機種ES-345も素晴らしいギターだが、自分にはあの装置は必要ないと思った。それでよりベーシックな335を選んだんだ」と語っています。結果として**335の最大の魅力は「多彩さ」**だと言い切り、ジャズ系サウンドはもちろんブルースやロックまで幅広くこなせる万能性に惚れ込んでいます。「スタジオミュージシャンとして駆け出しの頃、この1本を持って行けばどんな仕事にも対応できた」と述懐する通り、ES-335はラリーの音楽人生を支える一本槍となりました。その甘く枯れたトーンと芯のあるサステインは、クリーンから適度なドライブまで表情豊かで、まさに彼の“声”を奏でる楽器と言えます。「いつも自分の耳が求める音になってくれるから、気持ち良くプレイでき最大限に自己表現できるんだ」と本人も語っており、ES-335への絶大な信頼が感じられます。ラリーはこの愛器を世界ツアーにも帯同させますが、「良い行いをしていれば愛器に悪いことは起こらない」という独自の“カルマ”信条で、大切なギターを守っているそうです。

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Sire / Larry Carlton H7

機材解説

近年ラリー・カールトンは、自身の名を冠した比較的手頃な価格のシグネチャーモデルを新興ブランドSire(サイアー)から発売しています。2022年6月の来日公演ではメインギターとしてSire社製の“ラリー・カールトン・モデル”セミアコ(H7)を使用したことが報じられました 。Sire Larry Carlton H7は伝統的なES-335タイプのセミホロー・ギターで、ラリーのクラシックなトーンを再現すべくカスタムショップ並みの仕様を備えています。フレイム・メイプルトップのボディにマホガニーネック(エボニー指板)をセットネックで接合し、24.75インチスケールやニッケル製パーツなどラリーのお気に入り仕様を盛り込んでいるのが特徴です 。ピックアップも彼の名前を冠したヴィンテージ系ハムバッカーを2基搭載し、配線レイアウト(2ボリューム/2トーン/3Wayセレクター)もギブソン335と同様なので、ラリーは違和感なく手に取れるのでしょう。

実際にH7はラリー本人がステージやイベントで使用する姿も確認されており、そのサウンドはオリジナルのES-335に迫るものがあります。写真のホワイトカラーのモデルはフレイムトップではありませんが、ヴィンテージサンバーストなどラリー愛用のサンバースト調フィニッシュもラインナップされています。ラリーはSireからストラトタイプ(S7)、テレキャスタータイプ(T7)、レスポールタイプ(L7)など多彩なエレキギターのシグネチャーシリーズを展開しており、自身もライブの曲によってはこれらを使い分けています。特にH7は価格帯からは想像できないクオリティとの評価が高く、ラリーの音色に憧れるギタリストにとって手に取りやすい選択肢となっています。ラリー自身、「自分のトーンのDNAを受け継いだギター」としてSireシリーズに太鼓判を押しており、そのコストパフォーマンスの高さに満足しているようです。

ユーザーの口コミ
  • 「700ドルなのに5,000ドルクラスの音が出る」
    メイプルの鳴りとエボニー指板の“パリッとした輪郭”を高く評価。歪ませてもコードの分離が失われず、録り音は「ヴィンテージ 335 と同等の倍音の豊かさ」と絶賛。
  • 「ダークでトラ杢が美しい。ヘッドロゴも控えめで高級感あり
  • 「中古で手に入れたけど“マジで度肝を抜かれた”」
  • 「ローズ系 335 より明るくて抜けるが、耳に刺さらない絶妙なハイ」
  • 「この価格帯でここまで完成しているのは反則」

Fender / Telecaster

機材解説

ラリー・カールトンはセッションワークで必要に応じフェンダー系のソリッドギターも使用してきました。彼の所有するフェンダー・テレキャスターは1954年製のヴィンテージで、木目の美しいブロンドフィニッシュとブラックガード(黒いピックガード)が特徴です。この’54 Telecasterは完全にオリジナルコンディションで保存されており、ラリーは主にカントリー調や歯切れの良いカッティングが求められる場面で使用します。例えばライブでブルースやR&Bナンバーを演奏する際、シングルコイルPUを搭載したテレキャスター特有の硬質で抜けの良いトーンが必要な場合に登場することがあります。ラリー自身、「スタジオ録音ではケースバイケースでフェンダーの小型アンプと組み合わせて使うこともある」と語っており、クリーンで繊細なタッチから歪ませたロックサウンドまで、多彩な表現を引き出すサブ機としてテレキャスターを活用しています。また、セッション仲間のディーン・パークスらと共演した際にもテレキャスターで応じ、その軽快なカッティングで作品に彩りを添えました。ラリーにとってテレキャスターはメインではないものの、「いざという時に引き出しから取り出せる頼もしい相棒」の一つと言えるでしょう。

Fender / Stratocaster

機材解説

テレキャスターと並んで、ラリーは1962年製フェンダー・ストラトキャスターも所有しています。こちらもオリジナル度の高いヴィンテージ個体で、アルダーボディにローズウッド指板の所謂“62ストラト”です。ストラトキャスターは3基のシングルコイルPUと5ウェイスイッチによる多彩なトーンが持ち味で、ラリーはスタジオ録音でファンキーなカッティングやクリーントーンのバッキングが必要な際にストラトを選択することがあります。例えばフュージョン系の曲で軽やかなクリーンサウンドを出したい場合や、スティーリー・ダンのようなAOR系サウンドで繊細なアルペジオを弾く際など、ストラトの出番となるわけです。とはいえラリーは基本的にハムバッカー搭載ギターを好むため、ストラトのシングルコイルサウンドを使う機会は多くありません。しかし「いかにもストラトらしい音色が欲しいとき、62年製ストラトは最高のチョイスだ」と周囲に語っており、必要に応じて引っぱり出してはその味わい深いヴィンテージトーンを活かしています。ストラトキャスターのベルのように澄んだクリーントーンと、彼の滑らかなレガートプレイが重なることで生まれるサウンドはまた格別です。

Gibson / Les Paul Special

機材解説

ES-335とは対照的に、ソリッドボディの太いトーンを求める場面ではギブソン・レスポール・スペシャル(1955年製)も使用しています。このモデルはP-90ピックアップを2基搭載したシンプルな設計のギターで、ラリーの所有する個体はヴィンテージならではのTVイエローの風格あるルックスを備えています。レスポール・スペシャルはレスポール・スタンダードなどに比べて構造が簡素な“学生向け”モデルとして1955年に発売されましたが、P-90特有の太く温かみのあるミッドレンジが魅力です。ラリーはこのギターをブルース寄りの曲やスライドギターをプレイする際に用いることがあります。例えばライブでオープンチューニングのブルースナンバーを披露する際、P-90の生々しいシングルコイルトーンが欲しい場合にレスポール・スペシャルを選択します。その音色はハムバッカーとは一味違う荒々しさと抜けの良さがあり、ラリーの表現の幅を広げています。「小さなボディから驚くほど太い音が出る」と評されるこの1955年製レスポール・スペシャルは、彼のコレクションの中でも隠れた逸品でしょう。ステージでは登場頻度こそ高くありませんが、スタジオでは曲調に応じて密かに活躍しているようです。

Valley Arts / カスタムモデル

機材解説

1980年代後半から90年代にかけて、ラリー・カールトンは一時期メインのES-335を脇に置き、Valley Arts(バレーアーツ)製のカスタムギターを試したことでも知られています。ロサンゼルスの工房であるValley Artsは高品質なオーダーメイドギターで有名で、ラリーはストラトタイプやテレキャスタータイプのソリッドギターをいくつかオーダーしました。これらのギターは通常のフェンダーよりも小ぶりな7/8サイズのボディにセットネック構造を採用し、スケールはギブソンと同じ24.75インチとするなど独自仕様でした。ピックアップもEMG社のアクティブシングルコイルや、ギブソンP-90のハムノイズを低減したスタックP-100などを搭載し、よりハイゲイン時のノイズ対策やサスティン向上を図っていたようです。

ラリーがValley Artsに求めたのは、当時流行していたフュージョンサウンドやラックエフェクト重用の環境でも埋もれない、スムーズで扱いやすいギタートーンでした。例えばアルバム『Last Nite (1986)』や『On Solid Ground (1989)』の頃には、これらValley Arts製ギターとダンブルアンプ+ラックエフェクトによる洗練された音作りが特徴となっています。Valley Artsからは後にラリー・カールトンのシグネチャーTタイプモデルも市販され、スタンダードとカスタムの2種類がリリースされました。しかし1990年代後半以降、ラリーは再び原点のES-335に回帰し、シンプルな機材構成へと回帰しています。Valley Artsのギターたちは彼のキャリアの一時期を象徴する存在でしたが、その経験により「やはり自分には335が一番」という確信を深めたのかもしれません。

その他のギター

上記のほかにも、ラリーは様々なギターを用途に応じて使用してきました。

例えばYamaha / LA-WSなどヤマハ製のアコースティック・ギターをレコーディングで使った例や、自宅ではクラシックギターで作曲することもあるようです。また、Valley Arts製のスモールボディ・アコースティックギター(マーティンOOOサイズに似たブレーシングのモデル)も所有しており、繊細なフィンガーピッキングの録音に用いることがあります。さらにはGibson / EDS-1275ダブルネックをステージ上の一時的な演出で使用したこともあり(曲「Layla」のライブカバーなど)、状況に応じたギター選択への柔軟さもラリーの魅力です。

ただし基本的にはギブソンES-335を中心に、必要最低限のサブとしてフェンダーやその他ギターを使うスタイルを貫いており、「機材は少数精鋭で自分のサウンドを作る」という信条が感じられます。

Larry Carlton|愛用機材【アンプ】

Dumble / Overdrive Special

機材解説

ダンブル・オーバードライブ・スペシャル(Dumble Overdrive Special)は、ラリー・カールトンの伝説的トーンを支えた真空管ギターアンプです。写真上部に写っているのがダンブルODSヘッドで、“ギターアンプのホーリーグレイル(聖杯)”とも称される稀少なアンプです。ラリーは1980年代後半〜90年代にかけてこの100W級ハンドメイドアンプをメインに使用し、その極上のクリーンサウンドとスムーズなオーバードライブに魅了されました。ダンブルアンプは生産台数が非常に少なく、中古市場では数千万〜1億円とも言われるプレミア価格ですが、ラリーは幸運にも入手できた一人でした。

ラリー仕様のODSは、標準の6L6GCパワー管ではなくあえて5881管を使用しており、「6L6より反応が穏やかでダークなトーン」が得られると本人が語っています。クリーンチャンネルのボリュームはギリギリクリーンがブレイクアップし始めるポイントにセッティングし、それを常用の基礎トーンとしました。普段はその「かすかに歪むクリーン」をピッキングの強弱でコントロールし、さらに一段太いリードトーンが欲しい時だけアンプ内蔵のブースト(オーバードライブ)回路をフットスイッチでオンにする、という使い方です。この設定により、ギターのボリュームとタッチだけでクリーン〜オーバードライブまで自在に表現できる、まさにラリーの指先に追従するトーンメイキングが可能となっています。

ダンブルODSヘッドは密閉型の専用1×12キャビネット(エレクトロボイスEVM-12Lスピーカー搭載)と組み合わせて使用されました。EVM-12Lは高耐入力かつフラットな特性のスピーカーで、ラリーのクリーントーンの美しさとリードトーンの太さを支える重要な要素です。ラリーは「このアンプと335の組み合わせで、自分が頭の中でイメージした音がそのまま出てくる」と語り、ライブでも常にダンブルを帯同していました。そのサウンドはまさに唯一無二で、共演者のスティーヴ・ルカサー(TOTOのギタリスト)も「人生で最高のライブトーン」と絶賛したほどと言います。

Bludotone / Bludo-Drive

機材解説

近年、ラリー・カールトンはオリジナルのダンブルアンプを保管しつつ、Bludotone(ブルードトーン)社のクローンアンプをメインに使用しています。Bludotoneは米国のブティックアンプメーカーで、ダンブル系アンプの再現に定評があります。ラリー専用モデルとも言えるBludo-Driveは、彼の要望に沿ってBrandon Montgomery氏が設計した100W/50W切替可能なヘッドです。基本的な音質や操作系統はダンブルODSとほぼ同じで、ラリーの求めるタッチレスポンスや倍音豊かなオーバードライブを忠実に再現しています。「ダンブルの同系サウンドが出るアンプ」としてラリー自身も信頼を寄せており、特に近年はダンブルがヴィンテージ市場で貴重になりすぎたため、こちらを積極的に使うようになりました。

Bludo-Driveはツアーの利便性も考慮されており、ラリーは同一仕様のアンプヘッドとキャビネットを米国本拠地に2台、欧州(ブリュッセルとロンドン)に各1台、日本(東京)に1台ずつ配置しています。これにより長距離の空輸を避け、各地の公演で常に自分のサウンドを再現できる環境を整えています。ステージではBludo-Driveヘッドと1×12キャビ(EV EVM-12L搭載)をセンターに据え、左右にフルレンジスピーカーを置いたウェット/ドライ/ウェットの3chシステムを組むのも彼の特徴です。センターのキャビネットからはアンプ直のドライ音のみを出力し、マイクで拾った信号をラックエフェクターでステレオ処理して左右のスピーカーからエフェクト音を100%ミックスで出力するという仕組みです。この方法により、アンプ本来のピュアなトーンを損なわずにリバーブやコーラスの広がりをステージ上で再現しています。Bludotone導入後もラリーは「自分の音は全く妥協していない」と満足げに語っており、観客を魅了するサウンドを遺憾なく発揮しています。

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Fender / Tweed Deluxe & Princeton

機材解説

ラリーはスタジオ録音で小型フェンダーアンプを使用することもあります。代表的なのが50年代製のフェンダー・ツイード・デラックス(Deluxe)とプリンストンです。特にツイード・デラックス(5E3回路の15Wコンボ)は「Kid Charlemagne」のソロ録音時にも使われ、そのウォームでコンプレッション感のあるサウンドで有名です。ラリーは「小さいアンプをクランク(全開)させて得られる歪みは格別」と考えており、スタジオではダンブルでは出せない低ワットアンプ特有のナチュラルなクランチを狙ってツイード・デラックスを鳴らすことがありました。実際、「Kid Charlemagne」ではES-335をツイード・デラックスにストレートに繋ぎ、あの珠玉のサウンドを生み出しています。ただし同曲のソロ以降はライブで再現する際にダンブル+ラックエフェクトで近いトーンを作っており、ツイードアンプはもっぱらレコーディング専用となっています。

プリンストンについては、ラリーは具体的な言及は少ないものの、70年代のセッション期にブラックフェイス期のプリンストンをクリーントーン用に使ったとの証言があります。プリンストンの澄んだクリーンとリバーブはジャズ系バッキングにうってつけで、ES-335との相性も良好です。ラリーは「ビンテージ・フェンダー・アンプもケースバイケースで使う。大音量を出せない場面では重宝するよ」と述べており、ダンブルでは音圧過多な小会場や深夜のレコーディングではプリンストンなどを代替として使っていたようです。なお、「フェンダー改造のダンブルアンプは持っていない。フェンダーはオリジナルのまま」と語っており 、手持ちのフェンダーアンプには特別なモディファイは施していないとのことです。あくまで“生”のフェンダーサウンドを場面に応じて引き出すセンスも、ラリーならではの機材哲学と言えるでしょう。

Mesa Boogie / Mark I

機材解説

ラリー・カールトンは1970年代中頃、メサブギー・Mark I(マーク1)アンプの初期ユーザーでもありました 。Mark Iは世界で初めて量産されたハイゲインコンボアンプとして有名で、ラリーは1974年にオリジナルのMark I 1×12コンボを購入し大変気に入って長年使用していました 。当時まだダンブルと出会う前で、彼は小型フェンダーアンプを改造して作られたブギーの強烈なサステインとドライブサウンドに魅了されていたようです。ところが、ある時ラリーのアンプテクだったポール・リベラが誤ってこのMark Iを落として壊してしまう事故が発生しました 。修理はされたものの「元の音とは少し違ってしまった」とラリーは感じ取っており、その後発売されたブギーの次世代モデルも試すも「どうもしっくり来なかった」というのです 。結局ラリーはMesa Boogieから離れ、代わりに見出したのが前述のダンブル・アンプでした 。「そう、それからダンブル・アンプと出会い魅せられたわけですね?」「その通りだよ」と本人が語る通り 、ブギーMark Iの次に手にしたダンブルこそが彼の究極のトーンメイキングに繋がっていったのです。Mark Iは現在ほとんど使用されていませんが、ラリーの音作りの歴史における重要な一歩であったことは間違いありません。

Larry Carlton|愛用機材【エフェクター】

Korg / Pitchblack

機材解説

100%トゥルーバイパス構造を採用し、スルー時に信号経路をまったく変質させない点がラリーのお気に入り。4種のメーターモードと±0.1centの高精度により、暗いステージでも即座にピッチを確認できる。また 9V DC アウトから他ペダルへ電源をデイジーチェーンできるため、ボード上の電源整理にも貢献している。ラリーはボリュームペダルの前段に配置し、ボリュームを絞りながら無音チューニング→ペダルを戻して即演奏という流れを徹底。テンポの速いステージ進行でも音程管理が破綻しない “安心装置” として重宝している。

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Sho-Bud / Custom Volume Pedal

機材解説

60~70年代の名機をハワード・ダンブルが“アクティブ化”改造した逸品。入力部にFETバッファを内蔵しインピーダンスを数MΩまで引き上げているため、絞っても高域が痩せず ES-335 の甘い倍音を保ったままスウェル奏法が行える。ペダルカーブはピアノのエクスプレッションに近い滑らかなログカーブへ再調整済みで、ラリーはクリーンのまま微妙にゲインを持ち上げたり、アンプを軽くドライブさせた状態で歌うようなサステインを得るために常時足を置いて操作する。「右足でダイナミクスを歌わせ、左手はコードでハーモニーを描く」──彼のライブにおける流麗なボリュームワークの要はこの改造Sho-Budにあると言える。

Dunlop / Cry Baby 95Q

機材解説

スイッチレス方式でペダルを踏み込むと自動でON、離せば0.2秒でバイパスに戻る機構がラリーの“歌うソロ”に最適。可変可能なQコントロールでミッドピークを調整し、曲によって芯を絞る/広げるを素早くセット。+15dBのゲインブーストも内蔵し、リードパートで一段持ち上げたいときにゲインをプッシュする使い方をする。ファンキーなカッティングではペダルを固定し、帯域フィルターとしても活用するなど、用途は多彩。長めのスイープレンジと光学センサーによるスムーズな動作は、チョーキングと組み合わせた“泣き”のニュアンスを作る上で欠かせない。

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Tanabe / Zenkudo Overdrive

機材解説

“禅駆動”はMOSFET/ダイオード/クリッピングなし(BOOST)の3モードを備え、内部トリマーで高域と低域のQポイントも追い込める“ミニ・ダンブル”として名高い。ラリーは海外レンタル環境で本家DumbleやBludo-Driveを持ち込めない場合、本機をクリーンアンプの前段に置き、ゲインは9〜10時、トーンは12時、モードはMOSFET固定で使用。これにより軽いタッチでもコンプレッションがかかり、335の中域がスムーズに前へ出る。スライドプレイ時はBOOSTモードでゲインを稼ぎつつボリュームペダルで入力レベルを微調整し、艶とサステインを両立させるのが定番セッティングだ。

Visual Sound / Liquid Chorus

機材解説

BBD素子を用いたアナログ回路で、V2では18Vヘッドルームに対応しクリーンでも飽和せず自然な揺らぎを実現。ステレオアウトは完全独立位相で、ラリーの“ウェット/ドライ/ウェット”システムの左右スピーカーへウエット成分100%で送り、中央のドライキャビと干渉せず立体感を演出する。Rateは11時、Depthは9時ほどに絞り“揺れ”を感じさせない極薄コーラスとして常時ONにする日もある。パラレルで接続したときの位相ずれが少なく、コードワークが濁りにくい点もプロ御用達たる所以。

TC Electronic / Hall of Fame 2

機材解説

プレートリバーブを基本にMASH圧力センサーで踏み込み深さに応じてDecayをリアルタイムに変化させ、ソロで“引き延ばす”ような残響を演出。TonePrintを活用し、自宅ではLexicon系ホール、ツアーでは短めのルームをスマホから転送して会場に応じて最適化する。「リバーブは客席の残響とぶつからない長さに抑える」がポリシーで、Decay 1.8〜2.2秒/Mix 9時が定番。トゥルーバイパス/バッファード切替も会場のケーブル長に応じて使い分け、ハイファイな残響を保ったまま信号劣化を防ぐ工夫を怠らない。

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Providence / Chrono Delay DLY-4

機材解説

1〜2700msを1ms単位で設定できる4桁LEDディスプレイを装備し、サブディビジョン(付点8分/3連)もワンタッチ。アナログドライスルー方式で原音はAD/DAを通らず、その上にクリアかつハイファイなディレイ音が重なるため、ラリーの繊細なダイナミクスを損なわない。タップテンポは外部フットスイッチでライブ中に同期し、ソロでは350ms、バッキングでは100ms程度のショートディレイを薄くミックスするのが定番。Mix 15%前後に抑え、残響がコードの隙間を埋める程度にとどめるのが“引き算の美学”だ。

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Roland / SDE-1000

機材解説

1984年発売の1Uラックディレイ。12/16bit混合AD/DAと32kHzサンプリングが生む“温かいデジタル”質感が特徴で、最大1024msのディレイにモジュレーションを加えてコーラス風効果も生成可能。ラリーはプレート系リバーブの前段にSDEで30ms程度のステレオマイクロディレイを設定し、定位を拡げつつアンサンブルの中でギターを前に出す。量子化ノイズの少なさと±0.4%の高いディレイ精度が、速いフレーズでも輪郭をぼかさない理由だ。

TC Electronic / 1210 Spatial Expander

機材解説

BBD素子+LFOを用いたステレオ・ピッチモジュレーション/コーラス/フランジャー機。入力信号を左右に位相ずらし、空間を「拡大」する独自のSpatial機能が秀逸で、ラリーはセンターキャビのドライ音に対し左右ウェット100%で薄く掛け、コンサートホール級の奥行きを実現。低域が痩せにくい設計により、335の温かなミッドレンジを保ったまま広がりを得られるのが採用理由だ。

Lexicon / MX400

機材解説

17種類のLexiconアルゴリズムとdbxコンプ/ディエッサーを備えた2in/2outデュアルプロセッサ。ラリーはホール系2.4秒+スモールルーム0.9秒のデュアルリバーブをプリセットし、曲に応じてフットスイッチで切替。MX-Editソフトで各会場に合わせたEQ/プリディレイを事前に登録しておくため、サウンドチェックの短縮に寄与している。96kHzまでの高サンプリングとワイドダイナミックレンジがダンブル系の豊富な倍音をマスキングせず、美しい減衰を描く。

Larry Carlton|愛用機材【その他】

D’Addario / XL Nickel Wound EXL140 (.010-.052)

ラリーが“Stage & Studio Universal”と呼ぶ定番セット。巻線は六角芯+ニッケルメッキ鋼で明瞭なトップエンドを保ちつつ、52 の6弦が低域の輪郭を引き締める。1ステージごとに張り替えることでチューニング安定とピッチの純度を最優先。カラーボールエンドで張替えミスがなく、個包装による防錆コートで遠征時の湿度変化にも強い。

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Jim Dunlop / Jazz III

1.38 mm厚・小型ティアドロップ形状が特徴。ラリーは先端ではなく“後ろ側の丸い肩”を使いソフトアタックを得る独自スタイルで、微妙なニュアンスとトーンシェイプを指先でコントロールする。硬質ナイロンの復元性により速弾き、ハイブリッドピッキング双方でブレの少ないアーティキュレーションが実現する。

Providence / S-Series ケーブル

ロス2.2pF/30 cmの超低容量。短いパッチと3 mシールドで統一し、アンプ直結時とほぼ同じレスポンスを保つ。プラグはNP2RX-Bで、ステージ転倒時の耐久性と抜け防止を両立。

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