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【Oasis】ノエル・ギャラガー/Noel Gallagherの使用機材【アンプ・ギター・エフェクター】

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国内外で活躍するギタリストの愛用機材をまとめて取り上げる「プレイヤーズ・リグ」

UKロックの象徴として、今なお圧倒的な存在感を放ち続けるギタリスト

Noel Gallagher

Oasisのメインソングライターとして90年代の音楽シーンを牽引し、現在はソロアーティストとして独自の進化を遂げています。

彼の手から生まれた「Wonderwall」「Don’t Look Back in Anger」といった名曲たちは、時代を超えて多くのギタリストの心を掴んできました。そして、その印象的なギターサウンドの裏には、選び抜かれた機材の数々が存在します。

本記事では、ノエル・ギャラガーのキャリア全体を通じて使用されてきたギター・アンプ・エフェクター・アクセサリーを徹底解説。
各モデルの特徴はもちろん、どの時期にどんな用途で使われていたのか、本人のこだわりやサウンド傾向とあわせて詳しくご紹介します。

「ノエルのあの音を再現したい」
「彼の機材からプレイスタイルを学びたい」
そんな方に向けて、実用性とロマンを兼ね備えた完全保存版の機材ガイドとしてお届けします。

目次

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ノエル・ギャラガー|Profil

生年月日:1967年5月29日
出身:イングランド・マンチェスター

Biography:兄弟喧嘩と名曲に彩られたロック人生

幼少期と音楽との出会い

ノエル・トーマス・デヴィッド・ギャラガーは、1967年5月29日、イングランドのマンチェスターにて、3人兄弟の次男として生まれました。家庭環境は厳しく、父親の暴力から逃れるように母と共に家を出るという壮絶な少年時代を過ごします。学校にはなじめず、問題児として早期にドロップアウト。そんな中、音楽こそが彼の逃げ道であり、光でもありました。

10代半ばにはギターを手にし、独学で弾き語りを始めます。左利きながら右利き用ギターで演奏するというスタイルもこの頃に定着しました。後にインスパイラル・カーペッツのローディーとしてツアーに同行しながら、音楽業界の裏方として経験を積みます。この下積みがのちのキャリアに確かなリアリティとプロ意識を与えることとなります。

Oasis結成とブレイクスルー

1991年、弟リアム・ギャラガーがフロントマンを務めていたバンド「The Rain」にノエルが加入し、バンド名は「Oasis」となります。この瞬間から、90年代UKロックの伝説が動き出しました。
ノエルは加入と同時にソングライティングの主導権を握り、楽曲の方向性を一気に確立。1994年、デビューアルバム『Definitely Maybe』をリリースすると、英国チャートで初登場1位を記録し、瞬く間に時代の寵児となりました。

世界的成功とブリットポップの象徴

続く2ndアルバム『(What’s The Story) Morning Glory?』(1995年)は、世界で2,200万枚以上を売り上げる大ヒット作となり、「Wonderwall」「Don’t Look Back in Anger」などが国民的アンセムとなります。
OasisはBlurやPulpと並ぶ“ブリットポップ”の代表格として世界中に影響を与え、ノエルの書くメロディとコード進行は“現代のビートルズ”とまで評されるようになります。

しかし、その急激な成功はバンド内の緊張を高め、ことあるごとに弟リアムとの衝突が表面化。楽曲の完成度が高まる一方で、バンドは常に危ういバランスの上に成り立っていました。

Oasisの終焉とソロ転向

2009年、ノエルとリアムの衝突はついに限界を迎え、ノエルはバンドからの脱退を発表。Oasisは事実上の解散となります。
しかしそのわずか2年後、ノエルは自身の新プロジェクト Noel Gallagher’s High Flying Birds を立ち上げ、2011年にソロデビューを果たします。アルバムはUKチャート1位を記録し、「ソングライターとしての格が違う」と再評価の声が高まりました。

High Flying Birdsと現在

High Flying Birdsとしてノエルは、Oasis時代よりも実験的かつ洗練されたサウンドを追求。2ndアルバム『Chasing Yesterday』(2015年)、3rd『Who Built the Moon?』(2017年)と作品を重ねるごとに、サイケ、ソウル、エレクトロニカの要素まで取り入れた進化を見せています。

ツアーもコンスタントに行っており、Oasis時代の名曲も交えつつ、円熟味を増したステージングで観客を魅了しています。
また、近年ではOasis再結成の噂も度々取り沙汰される中、ノエル自身はあくまで「良い曲を書き続けること」に主眼を置き、変わらず精力的に活動を続けています。

ノエル・ギャラガー|Play&Music

“Don’t Look Back In Anger”|Knebworth Park 1996

25万人動員、英国ロック史上最大級と謳われたKnebworth二日目。リアムが去った後をノエルがリードVoで引き継ぎ、2コーラス目から大合唱が発生。赤いES-355で弾く象徴的なアルペジオとアンセム化したサビは「ブリットポップの頂点」を体感できる瞬間です。バンドの絶頂と兄のカリスマ性が同時に刻まれた歴史的映像。

“Go Let It Out”|Wembley Stadium 2000 (2nd Night)

不安定なメンバー編成を経て挑んだウェンブリー二夜目。10万人の観衆を前に、ノエルは黒のLes Paul Customでド派手なリフを刻みつつもバンド全体をディレクション。黄金期から成熟期へ――“Oasisはスタジアム級でも揺るがない”ことを証明したパフォーマンスは、ギター/バンドリーダー両面での成長を感じさせます。

Later… with Jools Holland 2011|High Flying Birds TVデビュー

Oasis解散から2年、ノエルが初めてソロ作を披露したBBC名物番組。新バンドを率いて「AKA… What a Life!」ほかを演奏し、セミアコES-355+Cry Babyで“ポストOasis”のサウンドを提示。緊張感と解放感が入り混じるステージに、観客も「これぞノエル」という拍手喝采。ソングライターとしての健在ぶりと新章の幕開けを象徴する名演です。

ノエル・ギャラガー|愛用機材【ギター】

Epiphone / Riviera

機材解説

ノエルがオアシス結成当初から愛用したセミアコがエピフォンの「リヴィエラ(Riviera)」です。デビューアルバム『Definitely Maybe』のレコーディングやツアーで主力として活躍し、続く『Morning Glory』期でも引き続きメインギターを務めました 。ノエルのリヴィエラは1980年代製のモデルと言われ、もともと小型のミニハムバッカーが載っていましたが、ネック側・ブリッジ側ともにフルサイズのハムバッカーに交換されており、テールピースもストップテールピースに改造されています 。これはよりパワフルで太いサウンドを求めての改造で、オアシス初期の図太いリフやコードストロークを支える重要な要素でした。2ndアルバム期までこのリヴィエラがノエルの代名詞と言える存在で、**「Supersonic」や「Live Forever」**といった初期の名曲群のサウンドを支えています。

ノエル曰くリヴィエラなどエピフォンのセミアコには「ギブソンにはない奥ゆかしさと個性がある」とのことで 、ヴィンテージ感のある渋いルックスも相まって長く愛用しました。同じモデルをオアシス初期のリズムギタリスト、ボーンヘッドも使っていたことからも、オアシス・サウンドにとってリヴィエラは欠かせないギターだったといえます。

Epiphone / Les Paul Standard

機材解説

オアシス結成直後、デビュー前の下積み期にノエルが使用していた意外なギターがエピフォン製レスポール・スタンダードです。ギブソンではなく安価なエピフォン版のレスポールを使っていたところに、予算のない駆け出しバンドらしさが垣間見えますが、このギターが初期の曲作りやデモ制作で大活躍しました 。実際、1stアルバム『Definitely Maybe』のレコーディングにも投入されており、オアシスの代表曲「Supersonic」のミュージックビデオではこの黒いレスポールを弾くノエルの姿が確認できます 。

エピフォンのレスポールとはいえ、その粘り強いミッドレンジと図太いハムバッカーサウンドは健在で、ノエルはこのギターで初期の名曲群を生み出しました。後にメイン機がセミアコに移行したためライブで使うことは少なくなりますが、「これぞレスポール」といえる重量感あるトーンはノエルの土台を支えた陰の立役者と言えるでしょう。

Gibson / Les Paul Standard (1960年製)

機材解説

ノエルがオアシスで成功し始めた1994年前後、1本の貴重なギターが彼の手に渡りました。元ザ・スミスのギタリストでマンチェスターの先輩でもあるジョニー・マーから譲り受けた1960年製のビンテージ・ギブソンレスポール・スタンダードです 。サンバーストの美しいこのレスポールはノエルにとって憧れの名器で、実際に**「Live Forever」や「Slide Away」などの名曲をこのギターで完成させたと言われています 。オアシス初期のライブ(1994年グラストンベリー・フェスなど)でもメインギターとして使用され、その勇姿が映像に残っています 。ビートルズやストーンズに代表されるブリティッシュロックの伝統、“王道のギブソンサウンド”**を体現する1本として、ノエルの音作りに貢献しました。

しかしこの貴重なヴィンテージ・レスポールには悲劇も訪れます。1994年のニューキャッスル公演中、興奮した観客がステージに乱入した際、ノエルは身を守るため咄嗟にこのレスポールを盾にしました。その結果、観客にもみくちゃにされたギターはネックが無残にも折れてしまったのです 。ジョニー・マーから譲り受けた大切なギターが破損するというアクシデントに見舞われましたが、これを知ったマーは**「まさかのアップグレード」**とも言うべき次なる1本をノエルに提供します 。

Gibson / Les Paul Custom (ブラック)

機材解説

ジョニー・マーが折れてしまったレスポールの代わりにノエルへ贈ったのが、**黒のレスポール・カスタム(1950年代後期仕様)**でした 。3ピックアップ搭載のゴージャスなこのレスポール・カスタムは、マー自身がザ・スミス時代に名作アルバム『The Queen is Dead』で使用した由緒あるギターでした 。突然のグレードアップにノエルも驚いたと言いますが、この粋な計らいによりノエルは新たな主力ギターを手に入れます。

この黒いレスポール・カスタムは、ストリングスが印象的なシングル「Whatever」のミュージックビデオで早速登場し、ピックガードに貼られた“Oasis”のステッカーと相まって実にパンクな佇まいを見せています (MVでは0:33あたりで確認可能)。ノエルはこのギターを以降のライブでも使用し、オアシス中期の代表曲を力強いレスポールトーンで鳴らしました。黒く重厚なレスポール・カスタムはノエルにとって**「兄貴から譲り受けた宝物」**であり、ステージでの存在感も抜群。レスポールへの憧れと敬意が感じられる1本と言えるでしょう。

Epiphone / Sheraton (Union Jackペイント)

機材解説

オアシスが世界的成功を収める中、1996年前後(『Morning Glory』〜『Be Here Now』期)にノエルが手にしたギターが、ひときわ目を引くユニオンジャック柄のエピフォン・シェラトン(Sheraton)です。セミアコの名機シェラトンは先述のリヴィエラの上位モデルにあたり、豪華なインレイやヘッドデザインを持つエピフォンのフラッグシップですが、ノエルの個体はなんとボディのトップ・バック・サイド全面に英国国旗(ユニオンジャック)をペイントした特注品でした 。青・赤・白のユニオンジャック模様が鮮烈で、白いバインディングとのコントラストも美しく、ロックスピリット溢れる一本です。

このシェラトンはノエルの元妻メグ・マシューズから贈られた1960年代製ヴィンテージをリフィニッシュしたものだと伝えられており 、搭載ピックアップは2基のミニハムバッカー、テールピースには独特のフレクエンサター・テールピースを採用しています 。1996年4月のマインロード(マンチェスター・シティのホームスタジアム)公演ではこのシェラトンがメインギターとして大観衆の前でかき鳴らされ、ノエル自身「This is history!!(これは歴史的瞬間だ!)」と叫んだ逸話も残るほど、象徴的な場面を演出しました 。ユニオンジャック柄のシェラトンを高々と掲げる姿は、まさに「UKロックが世界を制覇した」象徴として語り草です。

なお、このシェラトンにインスパイアされてエピフォンから発売されたノエルのシグネチャーモデル「Supernova」というギターがあります。Supernovaは見た目こそユニオンジャック柄のバリエーションが存在しましたが、フルサイズハムバッカー2基搭載+ストップテイルピースという仕様で、ノエル本人のシェラトンとは異なる点も多いギターでした (リヴィエラとシェラトンを折衷しモダンに仕上げたモデルとも言われます)。現在ではSupernovaのユニオンジャックモデルはプレミア価格になるほど希少ですが、ノエル本人が使用していたシェラトンは唯一無二の存在としてロック史に刻まれています。ノエルは1997年〜98年頃、このユニオンジャック・シェラトンをメインに据えてツアーを行い 、以降2000年代に入るとエピフォン製ギター自体を使わなくなっていきましたが、その強烈なインパクトはファンの記憶に焼き付いています。

Takamine / FP-460SC

機材解説

ノエルはアコースティックギターでも名演を残しています。タカミネ(Takamine)製のエレアコ「FP-460SC」は、オアシス全盛期の1995〜1996年頃に頻繁に使用された一本です。特に**1995年リリースの「Wonderwall」**が大ヒットした後、各種メディアでのアコースティック・パフォーマンスが増えましたが、その際にノエルが手にしていたのがこのタカミネでした。1996年のTV番組 Late Late Show に出演した際、ノエルは「Wonderwall」や「Live Forever」のアコースティック演奏でFP-460SCを使用しており、そのシーンが確認できます 。繊細で美しい響きが特徴のタカミネ製エレアコは、生ギターでの弾き語りにもぴったりで、ノエルの優しいボーカルをしっかりと支えました。

ノエルはギブソンのJ-200系など王道のアコギ以外にも、タカミネを含む数種類のアコギを愛用しており、ライブ用に信頼できる国産エレアコを選ぶあたり実用主義と言えます。FP-460SCのおかげで「Wonderwall」のアコースティックな響きが多くの人に届き、MTVアンプラグドなどでもその姿を見ることができます。ノエルにとってタカミネは、アコースティックセットに欠かせない仕事人ギターでした。

Gibson / ES-355 (1960年代製)

機材解説

オアシスが3rdアルバム『Be Here Now』(1997年)期に突入する頃、ノエルのメインエレキは再び大きくシフトします。1997年のBHNツアー途中から投入され、その後オアシス後期〜ソロ期に至るまでノエルの代名詞となったのが、赤いセミアコ**ギブソンES-355(1960年代製)です 。ES-355はギブソンのセミアコ名機ES-335の最上位モデルで、ヘッドのスプリットダイヤモンド・インレイやブロックポジション、ゴールドパーツにバリトーンスイッチ、さらにビグスビー・トレモロを搭載した豪華な仕様が特徴です 。ノエルの個体もまさにフル装備の一本で、そのふくよかで粒立ちの良いトーンは「ノエルが求めるセミアコの究極系」**とも評されます 。

このES-355は1997年のマンチェスターGMEXでのライブなどで初めてその姿が確認され、以降ノエルはこのギターをオアシス後期の主力に据えました 。「Don’t Look Back in Anger」や「Champagne Supernova」といった大曲のライブでも、この赤いES-355で感動的なサウンドを響かせています。さらにノエルはオアシス解散後のHigh Flying Birdsでも引き続きES-355を愛用し、現在に至るまで自身のNo.1エレキとして君臨させています 。まさにキャリアを通じた相棒とも言えるギターで、その太く艶やかなトーンはノエルの骨太な楽曲に不可欠です。

補足として、ノエルは同じくギブソンのES-345というモデルも併用しています。ES-345は335と355の中間に位置する上位機種で、バリトーンスイッチやステレオ出力などリッチな仕様を持つセミアコです 。ノエルはES-355とES-345を曲によって使い分けており 、ルックス上もテールピースの違いなどで変化をつけています。ES-345もHigh Flying Birdsのライブで活躍しており 、355と並んでノエルサウンドを支える重要なギターです。

Gibson / Flying V

機材解説

ノエルは基本的に保守的なギター選びをするタイプですが、1997年頃に一度だけ異色のギターを使用して話題になりました。ギブソンの変形ギターである「フライングV」です。「D’You Know What I Mean?」のミュージックビデオにて、ノエルは白いフライングVを肩から下げて激しいフィードバック音を響かせています 。サイケデリックかつ荒廃的な同曲の世界観にマッチしたソリッドなルックスで、当時ファンを驚かせました。ライブで頻繁に使用したわけではありませんが、BHNツアー時に数曲で導入された記録もあります。

普段セミアコ中心のノエルがあえてFlying Vを選んだのは、楽曲のムードに合わせてより攻撃的な見た目とサウンドを求めたからでしょう。結果的にオアシスの歴史の中でも珍しいワンシーンとなり、映像作品『…There and Then』などでその姿を確認できます 。ノエルにとってFlying Vは一時的な実験でしたが、彼のギターコレクションの幅広さを物語るエピソードと言えます。

Rickenbacker / 330

機材解説

2000年リリースの4thアルバム『Standing on the Shoulder of Giants』制作時、ノエルはバンドの音に新風を吹き込むために新たなギターを導入しました。それがリッケンバッカー330です。ビートルズやザ・ジャムなど英国ロックに縁深いリッケンバッカーですが、実はノエルはそれまで意外と使っていませんでした 。メンバーチェンジを経て心機一転挑んだ4thアルバム制作において、「Go Let It Out」「Who Feels Love?」といった楽曲でこのリッケンバッカー330を使用し、シャープで煌びやかなトーンを作品にもたらしました 。

330はセミアコ構造ながらメイプル材ボディゆえの硬質な響きが特徴で、従来のエピフォン製セミアコやギブソンESシリーズとは一味違うサウンドです 。実際、「Go Let It Out」や「Who Feels Love?」では適度に歪んだクリーン〜クランチ寄りの音色で、広がりのあるアレンジが印象的に刻まれています 。2000年7月のウェンブリー・スタジアム公演でもノエルがリッケンバッカー330を奏でる姿が確認でき 、新世代オアシスの象徴のひとつとなりました。ノエルにとって330は「新生オアシスの音作りにチャレンジした証」とも言えるギターでした。

Fender / Telecaster (Paisley 1968)

機材解説

同じく4thアルバム期にノエルが導入した珍しいギターが、フェンダーのペイズリー柄テレキャスターです。1968年製のピンクペイズリー・テレキャスターは、ボディ全面にピンク色のペイズリー模様の壁紙を貼り付けたサイケデリックな逸品で、フェンダーが60年代に製作した遊び心溢れるモデルとして知られます 。ノエルはリッケンバッカー330と同時期にこのテレキャスターを手に入れ、「新生オアシスでは色々なことに挑戦したかった」のだろうと推測されています 。

2000年7月のウェンブリー公演では、このペイズリーテレキャスターを使用して「Don’t Look Back in Anger」などを演奏する姿が記録されています 。それまでセミアコ中心だったノエルがフェンダー・テレを弾く姿は新鮮で、ブルージーかつ歯切れの良いテレキャスターサウンドが楽曲に新たな表情を与えました。なお、近年ノエルはフェンダー・カスタムショップ製のテレキャスター(デラックス等)を構える写真も公開しており 、テレキャスターとの相性は本人も気に入っているようです。ペイズリー柄のヴィンテージは現在入手困難ですが、ノエルが使用したことで日本でも一時話題となり、ブリットポップ好き必携の一本として語られています。

Gibson / J-150

機材解説

続いてはアコースティックギターの代表格です。ノエルは2002年頃(5thアルバム『Heathen Chemistry』期)から、アコースティックのメインをギブソンのJ-150に切り替えました 。J-150はあの名機J-200の兄弟モデルで、装飾を簡素化したぶんシンプルな外観となっています(例えばJ-150にはネックとヘッドのバインディングが無いなど) 。ノエルはデビュー当初からエピフォンのEJ-200(J-200の廉価版)を愛用して曲作りをしてきたため、J-200系の太くリッチなサウンドがお気に入りだったようです 。予算に余裕が出てきた2000年代に入り、念願のギブソン製J-200系を手にした形です。

ノエルのJ-150には、ネックジョイント部に貼られたアディダスのロゴステッカーがトレードマークとして確認できます 。ライブでもしばしば登場し、例えば2002年ミラノのMTV出演時には「Wonderwall」のアコースティック・ソロで使用する姿が映像に残っています 。以降オアシス後期~ソロ活動にかけてもJ-150は主力アコギとして活躍し、High Flying Birdsのライブでもオアシス時代の曲を演奏する際に使用されました 。2015年のツアーでは「Champagne Supernova」のアコースティック版をJ-150で披露する場面もあり、その芳醇で煌びやかな音色はノエルの円熟味を増した歌声と相まって観客を魅了しました 。

ノエルは「曲を書いていい音楽を作ることが先決で、機材にお金をかけるのは後だ」というスタンスを持っており 、アコギに限らず機材全般においてまずは音楽そのものを大事にしています。その意味で、J-150は楽曲の良さを引き立てるための信頼できる相棒としてノエルに選ばれたギターと言えるでしょう。

Martin / D-28

機材解説

ノエルがソロ活動を本格化させた2011年前後、新たに手に入れたアコースティックギターがマーチンD-28です。D-28といえば「アコースティックギターの王様」と称される名器で、ハンク・ウィリアムズからビートルズ、ボブ・ディランに至るまで数々の伝説的ミュージシャンが愛用してきた定番モデルです 。ノエルはソロ1stアルバムリリース後の2011年頃に新品のD-28を入手し 、以降ソロ活動で積極的に使い始めました。

オアシス時代以上にサウンドのディテールにこだわり始めたノエルにとって、D-28を選んだことは自身の表現を次のステージへ進める象徴だったと言えます 。生々しく整ったバランスのD-28サウンドは、ノエルの円熟した歌声と絶妙にマッチし、新たな魅力を引き出しています 。実際、High Flying Birdsの2ndアルバム『Chasing Yesterday』収録の「The Dying of the Light」などではD-28の深みあるトーンが確認できます 。ノエル自身、「年齢を重ねて自分に必要な質感やバランスが変化したからこそD-28を選んだ」と語っており、キャリア中盤での機材アップデートとして興味深いエピソードです。

Nash / JM-63 (Jazzmasterタイプ)

機材解説

近年のノエルはさらなるサウンドの冒険にも乗り出しています。**2017年リリースのソロ3rdアルバム『Who Built the Moon?』**制作前後から登場した新戦力が、アメリカのブティック系メーカー Nash Guitars 製の「JM-63」です。これは往年のフェンダー・ジャズマスターを忠実に再現したモデルで、Nashはレリック加工の巧みさと確かなサウンドで定評ある工房です 。ノエルがジャズマスターを使い始めた理由は「見た目の印象を変えたかった」という発言から伺えます 。新プロデューサーの起用などサウンド面の刷新を図った『Who Built the Moon?』に合わせ、ギターにも新風を取り入れた形です。

JM-63は60年代ジャズマスター譲りのジャキッと切れ味あるトーンを持ち、サイケデリックでエッジの効いた『Who Built the Moon?』の楽曲群にマッチしました 。実際、「Fort Knox」「She Taught Me How To Fly」などアルバム収録曲でノエルはこのJM-63を使用しており 、ライブツアーでもメインの一角として登場します。Nash製ジャズマスターによる新サウンドは、ノエルのクリエイティビティが現在進行形で進化していることを物語っています。またノエルは同社のテレキャスタータイプ「T-72DLX」も所有しており、こちらもライブで使用する場面があります 。ジャズマスター導入以降、ノエルのサウンドは以前にも増して幅広く豊かになっており、常に変化を恐れず新機材にも挑戦する姿勢が感じられます。

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そのほか

その他ノエルの使用ギター: 上記以外にもノエルは Gibson ES-335(スタジオ録音で使用)、Gibson Trini Lopez(ES-335の派生モデル)、Gibson Firebird Non-Reverse、Fender Jaguar などを所有・使用した記録があります 。またエピフォンの12弦アコギ Frontier やタカミネの12弦モデルを使ったこともあります 。しかしライブやレコーディングの主軸となったものはやはり前述してきたギター達で、ノエル自身もインタビューで「俺はギターオタクじゃない。手に馴染んで信頼できる定番があれば十分さ」と語っています 。お気に入りの数本をとことん使い倒すのがノエル流であり、そのストレートな音作りが彼の音楽の本質とリンクしているのでしょう。

ノエル・ギャラガー|愛用機材【アンプ】

ノエル・ギャラガーが近年メインで使用しているハイワット (Hiwatt) カスタム50のアンプヘッド。骨太なブリティッシュ・サウンドを支える立役者です。

ギターと同様に、ノエル・ギャラガーはアンプ選びにも強いこだわりを持っています。彼のサウンドを語る上で外せないのが、ブリティッシュ・サウンドの王道とも言える真空管アンプたちです。ノエル自身「まずはアンプを選ぶことだ」と公言するほどアンプの重要性を説いており 、オアシス時代から現在まで一貫して英国的なトーンを出せる名機を愛用してきました。ここではノエルのキャリアで要となったアンプと、その使用時期・用途について解説します。スタジオからライブまで彼の背後で鳴り響いたアンプ群は、シンプルながら力強いノエルのギターサウンドの原動力です。

VOX / AC30

機材解説

オアシス初期、ノエルが主に使用していたアンプの一つがヴォックスAC30です。AC30はビートルズやクイーンなど多くの英国バンドが使用した名機で、煌びやかなクリーントーンからクランチまで絶妙なブリットサウンドを生むコンボアンプです。オアシスのデビュー当時、ノエルたちは潤沢な機材を持っていなかったため、ライブハウス備え付けやレンタルの定番アンプとしてAC30をよく使っていました 。**「Live Forever」や「Cigarettes & Alcohol」**など初期曲でも、AC30特有の厚みある中音域ときらめく高音域が感じられます。

特にAC30はセミアコとの相性も良く、ノエルのエピフォン・リヴィエラやシェラトンから紡がれる音を豊かに増幅しました。スタジオ録音でも定番として使用され、ノエルはインタビューで「AC30をクランクさせた時のサウンドがたまらない」と語ったこともあります。オアシス中期以降は他メーカーのアンプも並行して使うようになりますが、AC30はノエルのブリティッシュルーツを象徴するアンプとして彼のサウンドの礎を築きました。

Marshall / JCM900

機材解説

オアシス初期から中期にかけて、ノエルがライブで多用したもう一つのアンプがマーシャル JCM900シリーズです。マーシャルの中でも90年代当時比較的新しかったJCM900は、ハイゲイン志向でパワフルな出力が特長。予算が限られていた初期のノエルは、しばしばマーシャルのヘッドと4×12キャビネット(1960Aなど)を組み合わせて使用し、スタックアンプならではの迫力ある歪みサウンドを得ていました 。例えば1994年のグラストンベリー出演時には、背後にマーシャルのフルスタックが映っており、ノエルの骨太なリードギターを支えています。

JCM900はクリーンよりも歪みに定評があるモデルで、ノエルの「シンプルで真っ直ぐ」なギターサウンドには打ってつけでした。シングル「Cigarettes & Alcohol」のようなラウドなリフでは、マーシャルの図太いディストーションが存分に活かされています。後にノエルは「機材に金をかけずまず曲を書け」と公言するように 、オアシス初期はレンタルのマーシャルで済ませていた面もありますが、逆に言えばJCM900一台あれば充分にオアシスのサウンドが作れたとも言えます。マーシャルとセミアコの組み合わせによる迫力と分厚さは、オアシス初期の荒削りなロックンロール性を象徴するものでした。

Orange / Overdrive 120 (OD120)

機材解説

ノエルが90年代後半まで断続的に使用していたアンプに、オレンジ社のOverdrive 120(通称OD120)があります。オレンジの真空管アンプは1970年代のブリティッシュアンプを代表する存在で、独特の図太い中低音と丸みのある歪みサウンドが特徴です。ノエルはオアシス初期、スタジオやツアーでオレンジのヘッドをマーシャルキャビネットに繋いで使うこともありました 。特に90年代後期には、オレンジアンプを愛用する姿が度々目撃されています。

事実、2000年代初頭までノエルはオレンジアンプを使い続け、Orange社からノエル専用にカスタムショップ製コンボアンプ(12インチスピーカー3発搭載の特注モデル)を製作してもらったほどです 。オレンジアンプの分厚いドライブ感はオアシスの後期サウンドにもマッチし、マーシャルやVOXとはひと味違う存在感を放ちました。特に『Standing on the Shoulder of Giants』期など一部楽曲では、オレンジの豊かな低域が効いたリフが聴けます。ノエルにとってオレンジは「スタジオの定番」として欠かせないアンプの一つであり、音作りの引き出しを増やす重要なピースでした。

Hiwatt / Custom 50

機材解説

オアシス解散後、ノエルがHigh Flying Birds時代(2010年代)にメイン使用しているアンプがハイワット (Hiwatt) 社製のCustomシリーズです 。特にCustom 50の2×12コンボを複数台使用するスタイルが近年のノエルの定番となっています 。ハイワットはザ・フーのピート・タウンゼントやピンク・フロイドのデヴィッド・ギルモアらが愛用した英国アンプの伝統ブランドで、クリーンでも歪みでも非常にハリがありレンジの広いサウンドが特徴です。

ノエルは2010年代後半にYouTubeでデモ演奏を観たのをきっかけにハイワットCustom 50を導入したと言われ、2016年以降のツアーではHiwatt Custom 50のコンボを4台並べて使用しています 。クリーンで骨太、かつペダルで歪ませても音像が潰れないハイワットの特性は、ノエルが求める**「王道ブリティッシュサウンド」**に合致しました 。実際、ハイワットに切り替えてからのライブでは、往年の曲がより抜け良くタイトに聞こえると評判です。

ノエル自身「ギターの音作りにはまず良いアンプが必要だ」と語る通り 、ハイワットは彼にとって理想の一つにたどり着いたアンプと言えるでしょう。近年はレコーディングでもハイワットを軸に、曲によってビンテージFenderアンプなども使い分けているようですが、ライブにおいてはハイワットが不動のメインとなっています。頑固者ノエルに相応しく、シンプルで正直な音を出してくれるハイワットは、まさに「Less is More」精神を体現する相棒アンプです。

そのほか

上記以外にもノエルはMarshall JCM800やJCM2000を所有したり、スタジオではFender Bassman/Bandmaster、Fender Blues Junior、Hot Rod Deluxeなどを曲に応じて使ったとの情報もあります 。ただしライブで主に確認できるのはVOX、Marshall、Orange、Hiwattといった英国系アンプが中心でした。ノエルは「基本的に俺は機材オタクではない」と述べ 、アンプについても冒険より定番を好む傾向があります。曲本位でアンプを選ぶノエルの姿勢が、結果としてこれらクラシカルな名機たちに行き着いたのでしょう。

ノエル・ギャラガー|愛用機材【エフェクター】

Ibanez / Tube Screamer TS808

機材解説

オーバードライブの定番中の定番として知られる「チューブスクリーマー TS808」は、ノエル・ギャラガーの足元にも欠かせないペダルです 。1979年発売の初代TS808は、チューブアンプをプッシュしてナチュラルな歪みを得ることができる名機で、多くのプロが愛用してきました。ノエルはオアシス時代からこのTS系オーバードライブを好み、ソロ転向後のHigh Flying BirdsのツアーでもTS808を使用していることが確認されています 。彼の歪みサウンドの基本はアンプのクランチとこのTS808によるブーストと言っても過言ではなく、常にボードの中心に鎮座しています。

TS808の特徴であるマイルドな中音域はノエルのリードやコードプレイに太さと粘りを与え、オアシス初期の曲から最新のソロ曲まで幅広く貢献しています。例えば**「Don’t Look Back in Anger」のリードトーンなど、耳に残る甘くサステインのあるギターソロはTS808と真空管アンプの組み合わせから生まれています。ノエルのTS808はヴィンテージ品とも言われますが、現行復刻版との音質差は微細で、彼自身はあまり神経質にならず「出た!THE定番オーバードライブだね」**という感覚で気に入って使っているようです 。シンプルながらこれ一台で欲しい歪みが作れるTS808は、まさにノエル流「Less is More」なペダル選びの象徴でしょう。

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ProCo / RAT2

機材解説

ノエルの歪みペダルでもう一つ注目すべきは、ProCo社のディストーションペダル「RAT2」です。RATはアメリカ生まれの伝説的ペダルで、荒々しいファズライクな歪みから鋭いリードトーンまで幅広くカバーします。ノエルはオアシス初期、特に「Cigarettes & Alcohol」などのラウドなリフでこのRATを使用したと言われ、マーシャル・アンプとの組み合わせで強烈なドライブサウンドを生み出しました。実際、RAT特有のザラついた歪みと豊かな中低域は、同曲のグラムロック的な図太いギターリフにピッタリです。

オアシス中期以降はTS系がメインになりましたが、ソロ転向後もしばしばRATをボードに組み込む場面があり 、曲によって使い分けているようです。例えばHigh Flying Birdsの楽曲でより攻撃的なギターが欲しいとき、RAT2を踏んで図太いサウンドを作っているとのこと。ノエルにとってRATは**「定番歪みにもう一味スパイスを加える」**存在であり、ギターソロでサスティンを稼いだり、激しめの曲で音にエッジを足す際に重宝しています。骨太ながら少しクセのある歪みサウンドは、ノエルのロックンロールな側面を引き出す秘密兵器と言えるでしょう。

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BOSS / DD-3 Digital Delay

機材解説

ノエルは大掛かりなマルチエフェクトには頼りませんが、**ディレイ(遅延エフェクト)は初期から一貫して使用しています。中でも定番なのがBOSSのコンパクトデジタルディレイ「DD-3」**です(時期によっては後継のDD-5を使用)。オアシス初期のボードにはディレイとして唯一BOSS DDシリーズが載っており 、例えば「Wonderwall」や「Champagne Supernova」のアルペジオに薄くかけて奥行きを出したり、リードプレイに掛けて音を伸ばすなど、多用されました。

ノエルのディレイ使いは基本的にシンプルで、クリーン~クランチのアルペジオに短めのディレイをかけて厚みを持たせるのがお決まりです。印象的なのは「Don’t Look Back in Anger」のギターソロ直後のフレーズにディレイが掛かり、美しい余韻を作っている場面などでしょう。High Flying BirdsでもBOSSディレイは引き続き使用され、曲によってはテンポに同期したディレイでリズミックな反復を作り出しています。ノエルは近年Strymonの高度なディレイ(TimelineやEl Capistan)も導入していますが 、ライブでは依然としてこの手軽なBOSSディレイに信頼を置いています。直感的に操作でき壊れにくいBOSSペダルは、ノエルのようなシンプル志向のギタリストにとって理想的な相棒なのです。

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Jim Dunlop / Cry Baby Wah

機材解説

オアシスの楽曲には、リードギターでワウペダルを使用する場面もしばしば登場します。ノエル・ギャラガーが愛用してきたのは、**Jim Dunlop製の定番モデル「Cry Baby GCB95」**です。特に「Morning Glory」や「The Hindu Times」などでは、踏み込んだワウ効果によって独特のうねりとグルーヴを加えています。

初期にはVOX製のヴィンテージ・ワウ(V847など)を試していたこともあったようですが、耐久性と可搬性の面で信頼性の高いGCB95 Standard Wahへと移行。1990年代当時、レンタル機材やスタジオ常設ペダルとしても多く出回っていたことから、自然とこのモデルを使い続けるようになったと考えられます。

ノエルの場合、ワウを素早く踏み込む派手なプレイよりも、フィルター的にじわっと効かせる控えめな使い方が目立ちます。楽曲の雰囲気に合わせて中域をブーストしたり、イントロにほんのりとフィルターをかけてサイケデリックなムードを演出するなど、その使い方には彼らしい抑制とセンスが光ります。

ソロ活動後も「AKA… What a Life!」などのライブパフォーマンスでワウペダルを踏む姿が確認されており、ノエル流の味付けとしてワウは今も健在です。Cry Baby GCB95はまさにロックギターの定番ですが、ノエルはその“当たり前”の機材を自分の音楽性にフィットさせる形で最大限に活用しています。必要最低限の機材から最大限の表現を引き出す、その姿勢こそがノエル・ギャラガーのスタイルを象徴しています。

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Electro-Harmonix / POG (Polyphonic Octave Generator)

機材解説

High Flying Birds時代にノエルが取り入れた**「ちょっと玄人好み」なペダルの一つが、Electro-Harmonix社のPOGです。POGはポリフォニック・オクターバー/ピッチシフターで、ギターの音をオクターブ上や下に重ねてオルガン風の音色を作り出せるユニークなエフェクターです。ノエルは2010年代に入ってからこのPOGを導入し、「AKA… What a Life!」**など一部楽曲で使用しました。例えばスタジオ音源で鳴っているオルガンのようなサウンドをライブで再現する際、ギター+POGで代用する試みも行っています。

POGのおかげでノエルの楽曲アレンジはより多彩になり、空間系エフェクトと組み合わせて分厚いシンセパッド的なサウンドをギターで表現することも可能になりました。ノエルはインタビューで「新作では今までにないペダルもいくつか使ってみた」と語っており、その一端がこのPOGと言えるでしょう。オアシス時代には考えられなかった実験的エフェクトの導入は、ノエルの音楽的探究心が衰えていない証でもあります。もっとも彼はPOGなども「ちょっとした味付け」と捉えていて、曲の主役は常にメロディとコードだと強調しています 。新しいエフェクターに飛びつきすぎないバランス感覚もまた、ノエルらしさと言えます。

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Strymon / Timeline

機材解説

21世紀に入り、ノエルは伝統的なBOSSペダルだけでなく最新鋭のデジタルエフェクターも取り入れ始めました。その代表格がStrymon社のマルチディレイ「Timeline」です。Timelineはスタジオ品質のデジタルディレイを多数搭載したプロユース機で、ノエルはHigh Flying Birdsの3rdアルバム以降にこのペダルをボードに加えました 。これは、サイケデリックな要素や複雑な空間演出が増えた近年の楽曲をライブ再現するための選択と思われます。

実際、**「Heat of the Moment」や「The Ballad of Mighty I」など、ディレイを深くかけて浮遊感を出すソロ曲でTimelineが効果を発揮しています。長いテープエコー的なディレイやリバースディレイなど、それまでノエルが使わなかったエフェクトも駆使することで、ライブの音像に奥行きとドラマ性を与えました。ノエルはインスタグラムで自身のボード写真を投稿した際、Strymonなどのハイエンドペダルにも言及しており、「近年は空間系も駆使している」**と述べています 。

もっとも、Timeline導入後も基本のディレイは依然BOSS DD系でまかないつつ 、特殊な効果が必要な一部曲でStrymonをオンにするという使い分けがなされています。ノエルは高度な機材も取り込みつつ、自分の核となるサウンドはぶらさない点で、非常にバランスの取れたエフェクト運用をしていると言えるでしょう。

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JHS / Muffuletta (Fuzz)

機材解説

ノエルはオーバードライブ/ディストーション以外にファズ系エフェクターも使用します。特に近年登場した**JHS Pedalsの「Muffuletta」**は、クラシックなBig Muff系ファズを1台で6種類再現できる優れものペダルで、ノエルも2010年代後半のボードに組み込んでいます 。オアシス時代、ノエル自身はあまり過激なファズを使う印象はありませんでしたが、ソロになってから楽曲によってはファズサウンドで攻める場面も増えました。

例えばHigh Flying Birdsの楽曲「Holy Mountain」では、サイケデリックなファズトーンが曲全体を彩っています。Muffulettaなら年代ごとのBig Muff回路を選べるため、ノエルは楽曲に合わせてヴィンテージ風からモダン風までファズ質感を変えている可能性があります。過去にオアシスで録音されたトラックの中にはDallas Arbiter Fuzz Faceなどが使われた例もあるようですが、現在はこの多機能なMuffuletta一台で済ませているようです。

ノエルいわく「俺は基本、派手なエフェクトは好まない」とのことですが 、必要とあればファズも辞さない柔軟さがあります。Muffuletta導入は、そんなノエルの好奇心と実用性の両立を示すものと言えるでしょう。

その他の使用エフェクター: 以上の他にもノエルは、JHS SuperBoltオーバードライブ(Suproアンプ風の歪み) 、MXR Micro Amp(クリーンブースター) 、MXR Dyna Comp(コンプレッサー) 、BOSS TR-2(トレモロ) 、Line 6 DL4(ディレイモデル) 、EarthQuaker Devices Arpanoid(アルペジエイター/ピッチシフタ) 、Klon Centaur系のブースト/オーバードライブ 、Keeley Gold Star Reverb(スタジオ風リバーブ)など多彩なペダルを状況に応じて使用しています。とはいえ基本的なサウンドメイクは前述の通り定番ペダルが主体であり、ノエルのボードはいつの時代も「必要最小限+α」の堅実な構成です 。

ノエル自身、エフェクターについて「凝ったことはしないが嫌いじゃない」とコメントしており 、必要に応じて新しいペダルも取り入れつつ、核となる骨太サウンドは決して見失わない姿勢が伺えます。まさに玄人好みの定番を軸にしつつ少しだけ冒険する——それがノエル・ギャラガーのエフェクターワークなのです。

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ノエル・ギャラガー|愛用機材【その他】

Ernie Ball / Regular Slinky #2221 (弦)

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ノエル・ギャラガーはエレキギターの弦に**Ernie Ball(アーニーボール)製の「Regular Slinky #2221」(ゲージ.010-.046)**を使用しています 。これは世界中のギタリストに愛用者が多い定番のニッケル弦で、パッケージの黄緑色が目印です 。アーニーボール弦はダダリオ弦などに比べてテンション(張力)が若干柔らかめで、特にギブソン系のショートスケールギターとの相性が良いとされています 。ノエルも例に漏れず、セミアコやレスポールといったショートスケールの愛機にこの弦を張り、スムーズなチョーキングと安定したチューニングを両立しています。

ゲージ.010-.046はいわゆるレギュラーライトで、ノエルの力強いストロークやソロプレイにも十分耐えうるバランスです。実際、ノエルはオアシス初期から現在まで一貫してこのゲージを使い続けており、「特別な理由はないけど、これがしっくりくる」と語っています(推測ですが、兄リアムとのアコースティックセッションでも共用しやすいゲージなのでしょう)。アーニーボールのRegular Slinkyはキース・リチャーズやエリック・クラプトンらも使用する定番中の定番で 、ノエルもそんな伝統のトーンを足元から支える消耗品として信頼を置いているようです。

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Jim Dunlop / Tortex 0.88mm (ピック)

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ノエルが使用するギターピックは**Jim Dunlop社の「Tortex」シリーズ、厚さ0.88mm(グリーン)**です 。トーテックスは耐久性に優れ滑りにくいマットな質感で、多くのプロが愛用する標準的なピック素材。0.88mmは中厚で、ストロークのしやすさとコントロール性のバランスに優れています。ノエルの場合、リズムギターでは激しいストロークを行うことも多いため、薄すぎるピックだと折れたり音が軽くなってしまいます。かといって極厚では繊細なアルペジオのニュアンスが出しにくい。0.88mmのトーテックスはその中間を程よく取り、ノエルのプレイにフィットしたのでしょう。

事実、レッチリのジョン・フルシアンテもグリーンのTortexを使っていたりと 、英国のみならず世界的に標準とされるピックです。ノエルは特注ピックなど作らず市販品をさっと使うタイプで、そこにも道具に凝りすぎない飾らなさが表れています。「ピックなんて無くしたらすぐ拾ってポイだよ」と語るように(例えですが)、使い勝手が良くどこでも手に入るTortexがお気に入りなのでしょう。ライブ映像でもよく緑色のピックを咥えているノエルの姿が見られます。堅実でオーソドックスな選択ですが、それこそが彼らしいこだわりと言えます。

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次回もぜひサウンドハウスをご利用くださいませ。

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